教育出版は小学校用の指導者用デジタル教科書(教材)8教科、学習者用デジタル教科書9教科を発売する。学習者用デジタル教材については算数を準備中だ。
新開発のビューアを指導者用・学習者用に共通して利用し、それぞれに適した機能を搭載する。このビューアはインストール不要で豊富な機能が利用できる。
ペン・マーカーツールの操作性を向上した。ペンもマーカーも1操作で簡単に選択でき、色や透明度、太さも自由に設定できる。画面への書き込み内容は、画像保存や印刷が可能で、振り返り用に活用できる。
教科書紙面は見開き表示と巻物表示を選択でき、総ルビや白黒反転表示にも対応する。
一斉授業で指導者がよく使う3つの基本機能「拡大提示」「ページ送り」「ペン機能」を画面に常時表示。それ以外の機能も簡単な操作で呼び出せる。付箋やめくり紙、タイマーやストップウォッチ、スタンプなどの各種機能も備えている。
動画、段落表示、筆順など、コンテンツを改善。
本文の内容を整理しながら読むための工夫として、レイヤー機能を備えた「国語マーカー」を新たに開発中。カラーユニバーサルデザインに配慮した各色のマーカーを使い分けながら、情報を観点別に整理したり、話題の推移を明らかにしたりしながら読むことができる。文章を切り取らない学習により、本文の中で考える力を養う。
重要語句や難解語句の説明や、児童になじみのない事物を画像で紹介する機能もある。
硬筆教材には、筆順アニメーションを収録。「バランスよく書く」など、学習のねらいに沿ったアニメーションや運筆動画を収めた。
図の一部をめくり紙機能で隠したり、キーワードを非表示にしたりして、授業の流れに即して情報提示できるよう工夫した。
雨温図などの図やグラフは、要素別・段階別に表示したり、並べて表示したりすることができる。考え、意見を交わすなどの学習に効果的。
動画の本数も増やす。
「A数と計算」「B図形」「C測定/変化と関係」「Dデータ活用」の各領域に役立つコンテンツを収録。▼A数と計算=原則としてすべての問題に解答表示機能を用意。▼B図形=立体図形を自由に回転させて観察したり、任意の辺で切って展開図を作ったりすることができるシミュレーションを用意。▼Dデータ活用=棒グラフや折れ線グラフなど様々なグラフがかけるグラフ作成ツールを収録。
4年「位置の表し方」、5年「正多角形の作図」ではプログラミング教材を提供。好評の学習ソフト「3ステップデジタルドリル」も収録予定。
人体のつくりや消化・吸収の様子など、実際には観察・実験しにくい内容を中心にアニメーションや映像を充実。学習場面に即した内容の動画クリップへのリンク(協力・NHK)も多数用意した。
譜面は再生音声を収録。パート別再生や、階名表示(器楽)もできる。
音楽作りは、各教材に合わせたツールを開発。リズムや音を選択して作った音楽を再生することなどができる。
授業の流れに即した映像や音声、歌やチャンツなどを収録。チャンツは字幕の有無を選択でき、速さも変更できる。アクティビティ(活動)では、手本動画を収録して取り組みやすくした。「読む」「書く」の指導に役立つ動画なども用意。
紙芝居動画(写真やイラストと朗読音声とを重ねた動画)を収録。活動アニメーションやワークシートも充実。
国語・書写・社会・算数・理科・生活・音楽・英語・道徳を提供。母語が日本語ではないなど、多様な児童を想定した、特別支援を含む学習者支援機能を充実。学習者支援画面では、リフロー方式を採用。書体や行間、文字サイズ、総ルビ/分かち書きの有無を変えることができる。文字だけでなく図やイラストも掲載し、学習上の利便性も追求。背景と文字の色を変更でき、一度設定すると次回起動時も反映。読み上げ機能は速度調整が可能。また、教科書紙面を表示する画面では、紙面を拡大して書き込み、それを保存するなど、書き消しが行いやすい教科書として活用できる。
算数で用意。計算など自分で答え合わせができるフラッシュカードを収録。コンパスを使った円のかき方などの動画は、早送りや繰り返し再生も可能。このほか、プログラミング教材など多数のコンテンツを収録予定。
いつでも呼び出せる機能として、おはじきやブロックなどの「さんすうセット」や、定規/コンパスなどの機能も充実。「3ステップデジタルドリル」も収録予定。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年5月13日号掲載