大日本図書は、学習者用デジタル教科書、指導者用デジタル教科書、学習者用デジタル教材を理科、生活科、算数、体育/保健の4教科で提供する。iOSやChromebookにも対応できるようにブラウザ上ですべて操作できるようにするとともに、ローカル版での使用にも引き続き対応。さらに学習履歴や成果もクラウド上に保存できるようにする。教科書の見本版とともに体験版DVDを各教育委員会に送付済だ。
学習者用デジタル教科書は文部科学省の示す「デジタル教科書」に当たるもの。教科書紙面をそのまま再現し、かつ特別支援向けの機能を追加している。
書体はUDデジタル教科書体を採用し、拡大縮小や読み上げ機能、反転機能、背景色変更機能、総ルビ機能などを搭載。クリックするとリフローウィンドウが開いてテキストを表示。ここでも書体の大きさや背景色、反転表示、行間などを自由に柔軟に変更できる。
教科書紙面から様々なコンテンツを提示できる提示用として前回よりも大幅に機能を強化。
最も大きな違いはタブレットPCなどを想定したタッチ操作への対応だ。タブレットや電子黒板上で自由にタッチ操作できる。
ほぼすべての問題に映像やアニメーション、スライドなどのコンテンツを搭載。解答欄への入力は手書き文字も認識できるようにした。5年「立体の特ちょう」では、3D立体の各面に色をつけたり、360度自由にどの方向へも回転させることができたりなど説明しやすいように配慮している。
理科専科の教員でなくても授業を進めやすいよう、問題解決能力育成の段階を踏んで授業を進行できるようにした。
スライドモードでは、段階を踏んで順番に表示できる。また、今どの段階の学習をしているのかがわかるようにページ右上に「問題を見つける」「予想を立てる」などと表示。レビューモードでは、今どこの段階にいるのかについて俯瞰できる。
すべての単元で導入動画を搭載して学習に取り掛かりやすいように配慮。
導入用の動画を始めとする収録映像は、そのほとんどが教科書掲載の写真撮影と同時に撮影。「教科書がそのまま動く」感覚で動画を視聴できる。ドローンやタイムプラス機能で撮影したデジタルならではの映像を多数収録している。
超広角レンズを使った全天撮影映像は、元理科教員が撮影したオリジナル映像。時間の経過とともに星の動きがわかる。
教員のサポート機能として「夏のあさがおの単元」の準備が必要な時期(4月)に「あさがおの種は撒きましたか?」などのメッセージを表示するなど授業準備や段取りをサポート。教師用指導書に掲載されている授業準備に必要な注意事項を盛り込んだ。
「昆虫の仕組み」では、前回好評だった360度回転できるシミュレーションを提供。昆虫のほか、ダンゴムシやムカデなど実物に触れるのが難しいものもじっくり観察できる。宮古島で捕まえた巨大ムカデの写真も。
学習者用デジタル教材は、タブレットを活用する具体的な場面を想定しものとした。
教科書掲載の問題をすべてドリル化。自分で採点できるようにした。正答率や進捗状況、どこを間違っているのか、などの学習履歴を教員が確認できる仕組みも提供。図形の回転・操作など児童の思考支援に必要なアニメーション等も精査して同梱。
プログラミング学習については5年「正多角形」で用意。
理科学習で必須のワークシートを、問題発見、実験及び実験撮影、考察など問題解決の流れに沿って学習できるデジタルワークシートとして提供。実験を撮影した動画等もワークシートに記録され、前回の実験の様子も追加で張り込むことができる。各段階でシートを作成、レビューモードにすると今どの段階にいるのかについて俯瞰できる。単元が終了すると1枚のワークシートとして完成。すべてデジタル保存もできるが、まとめのワークシートを印刷してノートに貼ることもできるなど、児童の学習履歴が分散しないように配慮した。
プログラミング教育については6年「電気の学習」で用意。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年5月13日号掲載