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教育ICT

1人1台PC活用でプログラミング学習<大府市教育委員会主席指導主事・鈴木達見氏>

2019年3月4日
第56回教育委員会対象セミナー・名古屋

第55回教育委員会対象セミナー福岡を2月8日、第56回同セミナー名古屋を2月15日に開催。教育委員会や教職員などが参集し、熱心に聴講した。

アンプラグドもロボットプログラミングも

大府市教育委員会主席指導主事・鈴木達見氏

大府市教育委員会主席指導主事・鈴木達見氏

タブレット端末や電子黒板を一斉整備した愛知県大府市教育委員会。鈴木達見主席指導主事はプログラミング教育の事例などを語った。

大府市立東山小学校では、平成22年度の総務省「フューチャースクール事業」実証校として、全教室に電子黒板とタブレット端末を導入。本事業終了後、「ICTの展開を広げる必要がある」という考えのもと、平成27年9月から小中学校の全学級に電子黒板と実物投影機を導入した。タブレット端末は、小学3年生以上の2人に1台、中学校は2人に1台を配備。デジタル教科書もほとんどの教科で導入した。

導入当初は、STEP1として教員用タブレット1台、電子黒板、実物投影機を活用。教員が電子黒板などのICT活用に慣れることを目的とし、デジタル教科書も活用した。

STEP2及び3への移行は、愛知県学校視聴覚教育研究大会で大府市が発表校となったことが転機となった。音楽の授業で児童が一小節ごとにタブレット端末で作曲して曲を完成させる、道徳の授業で全員が同時に意見を書き込むなど研究大会では1人1台活用ならではの授業を公開。日本福祉大学 影戸教授より完成度の高さを評価された。

■ICT支援員が月1回情報交換

ICT支援員の存在は大きい。大府市は週2回、ICT支援員が各校を巡回して授業や研修、校務に対応しており「授業者の良きパートナー」だ。

月1回のICT支援員研修では全支援員が各校の授業事例やトラブル、プログラミング教育の進め方、ヘルプデスクとの連携などについて情報交換を行っている。

現在、東山小学校はプログラミング教育の実証校として取り組んでいる。プログラミング教育による問題解決学習を通して育む子供たちの「複数解」を受容する態度が深い学びにつながる。

小学2年生「生活科」ではミニトマトの育て方で、PCを使わない「アンプラグドプログラミング」を実践。ミニトマトの育て方をフローチャートに表した。小1からプログラミングに関わることでプログラミング的思考は高次となる。小学5年生「算数」では、プログラミング教材「プログル」を活用。日常生活における「平均」の活用を考えた後、「プログル」を使って平均を求めるプログラミングに挑戦した。

小学6年生「算数」ではロボット「オリー」を活用。体育館でオリーを多角形に走らせるプログラミングを通して速さ・道のり・時間の求め方の理解につなげた。

年間カリキュラムでは、学年ごとにリテラシーを明確にしている。キーボード入力は必須。各校で今後、キーボード練習ソフトを導入して取り組んでいる。IDやパスワードの管理についても小学校から取り組む。

教科の中でのロボットプログラミングは、動く速度から比につなげるなどロボット活用の発展性を強く感じる。【講師】大府市教育委員会主席指導主事・鈴木達見氏

 

【第56回教育委員会対象セミナー・名古屋:2019年2月15日

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年3月4日号掲載

 

  1. 大府市教育委員会主席指導主事・鈴木達見氏
  2. 文部科学省教科調査官・鹿野利春氏
  3. いなべ市教育研究所 所長補佐兼指導主事・安藤正一郎氏
  4. 岐阜市教育委員会 指導主事・赤地仁志氏
  5. 川根本町教育委員会教育総務課課長補佐兼教育総務室長兼管理主事・宮島明利氏
  6. 名古屋経済大学市邨中学校・矢田修教諭
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