新学習指導要領に、1人1台の情報端末活用などを始めとするICT環境整備の必要性が明記された。デジタル教科書・教材による効率的な一斉指導や個別学習、特別支援教育向けの活用や学習者用教科書による主体的な学びの実現、クラウド活用とビッグデータ分析による学習評価ツールとしての活用など様々な可能性が拡がっている。
DNPはプログラミング教材「Switched On Computing」の日本版を開発した。
英国の約6000校で活用されているもので、日本版を監修した竹野英敏教授(広島工業大学)は「全国の小学校15校約200時間の実証研究から教材開発やカリキュラム開発を行い、日本の教育目標と発達段階を踏まえたカリキュラム配列とした。外部に依存しなくても教員自らで授業ができるように指導者用ツールや指導案、掛図、ワークシート、サンプルファイルなどのサポート資料を充実した。教員の工夫やアイデアを盛り込みやすいようにカスタマイズできる」と語る。
現在提供している教材は、低~中学年「たからばこを見つけよう」、中学年「プログラマーになってみよう」、中~高学年「ゲーム開発者になろう」、「ディジタル音楽をつくろう」など5ユニット。現在、各ユニットの評価規準を作成中だ。
宮城教育大学の安藤明伸准教授は「英国ではコンピューティングの授業は主に教員が行っている。日本においても児童生徒に身に付けたい力を把握している教員が教えることが望ましい。本教材は、系統的に体系化されている点、自由度の高い点が特長。授業目的を明確に持って迷いなく授業を進めることができる」と語った。
新宿区立四谷小学校(石井正広校長)は更新されたばかりのICT環境を情報活用能力育成に効果的に活用するための研究を重ねており、そのうちの1つが「プログラミング分科会」だ。昨年から6年生ではプログラミング教材「Switched On Computing」日本版を活用して年間6時間プログラミングに取り組んでいる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年6月4日号掲載