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教育ICT

教職員の主体性と同僚性を育む2つの仕組み 「放課後ちょいスクール」で学び合い<高松市総合教育センター 研修係長 河田祥司氏>

2022年9月6日
第90回教育委員会対象セミナー・松山

8月1日、愛媛県松山市内で第90回教育委員会対象セミナーを開催。講演の一部を紹介する。


高松市総合教育センター 研修係長
河田祥司氏

高松市では、新しい学びの場である「放課後ちょいスクール(Choice,Cool!)」を創出し、「学び合う教職員集団」づくりに取り組んでいる。河田祥司研修係長がその仕組みを報告した。

…・…・…

GIGAスクール構想の実現に向けた環境が1年程度で全国のほぼすべての小中学校に整備された。ネットワーク環境の構築や見直し、11台端末の調達から導入まで、教育委員会、学校、企業などがつながり、短期間で歴史的な大事業を成し遂げたことに、日本の底力を感じる。これからが本当の勝負である。

高松市は中核市制度により、独自の研修を展開できる。GIGAスクール関連だけでなく、さまざまな現代的な課題に対応していくために、これまでと同じ研修スタイルで良いのか、という問い直しから始めた。

これまでは、一度に多くの教職員が研修を受けることができないので、学校から代表者が参加し、その内容等を学校に戻って伝えていた。しかし、コロナ禍であり、時間的にも全教職員で共有することが困難な状況であるとともに、日々さまざまな課題に対応する研修を、時間をかけて実施することに限界を感じていた。そこで、これまでの研修とは別に、個人で学んだり、不特定多数の人と即時的に学び合ったりすることができる仕組みを構築できないか、と考え2つの仕組みを作った。

1つは、高松市内の小中学校からだけ見ることができる専用HPに、問い合わせが多い内容をFAQで掲載し、即時に全教職員で共有できるようにした。FAQを見て個々に解決できることが増え、問い合わせの電話が減った。また、実践事例や端末・システム等の操作動画を掲載し、個々に学び、解決できる環境を整えた。

2つめは、現場が求める内容を組み込んだ学びの場「放課後ちょいスクール」の創出だ。同時双方向型のオンラインで、放課後30分間、月2回程度「つながる」こと、教員自らが選ぶこと(Choice)を重視した。ここでは、学校間だけでなく、学校と教育委員会でニーズを共有。それに対応した内容も企画。

申込は専用HPから個々で行い、当日はMicrosoft Teams上のボタンをクリックするだけで参加できる。オンラインなので校内で複数人が参加でき、かつ小中学校が同時に参加でき、市全体で同僚性を高めることもできる。学校内外に顔見知りが増えたことから、事例を紹介した教員と直接やりとりをするなど、事前・事後のつながりが生まれている。

重要なのは、Q&Aと情報交換の時間を確保し、双方向にすること。

内容はICTにとどまらない。先日はヨガを企画したが、好評であった。

昨年度は34回実施。750人以上が参加した。今年度は7月末時点で約380人の教職員が参加している。多くの成果はあるものの、さらに認知度を高めていく必要があると考えている。

校長会や教頭会などで、出たいと思ったときに参加できる環境づくりを依頼。研修は、業務改革とセットで取り組む必要があるが、「放課後ちょいスクール」は水曜日16~16時半と決めており、その時間に会議等を入れないようにしている学校が増えてきており、軌道に乗り始めている。

【第90回教育委員会対象セミナー・松山:2022年8月1日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年9月5日号掲載

 

  1. 松山市教育研修センター 指導主事 小田浩範氏
  2. 高松市総合教育センター 研修係長 河田祥司氏
  3. 愛光中学・高等学校 ICT推進室長  和田誠氏
  4. 上板町立高志小学校 校長 中川斉史氏
  5. 愛媛県教育委員会 義務教育課教育指導グループ担当係長 加賀山芳明氏
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