大日本図書では、小学校理科教科書「たのしい理科」で学習者用デジタル教科書、学習者用デジタル教材、指導者用デジタル教科書を提供する。
学習者用デジタル教科書は、紙の教科書紙面をデジタル化し、機械音声の読み上げや白黒反転、拡大など特別支援向け機能を提供。
学習者用デジタル教材は、タブレット上でワークシートを作成できる学習者用ツール機能を充実した。児童が予想や実験結果を自由に書き込みできる「デジタルノート」として活用でき、「学習者用デジタル教材」のみの販売もしている。
指導者用デジタル教科書は、教科書に沿った映像を現行版よりさらに充実。絵や図はほぼすべて動く。
問題解決の流れに沿って3種類の表示モードを用意。教科書紙面そのままを提示する「Bookモード」、「問題を見つける」「予想する」「考察する」など各ステージに分割して授業の流れに沿って提示できる「Slideモード」、これまでの学習内容を一覧表示できる「Reviewモード」を搭載。Reviewモードでは、Slideモードでどこまでデジタル教科書を表示したかがわかる。書き込み内容も保存できるので、前回授業との接続をより円滑にする。理科専科教員にも配慮し、複数クラスの実施状況も保存できるようにしている。
導入映像はすべて同梱。教科書掲載の子供たちがそのまま動くので、授業との接続がスムーズだ。
実験映像もすべて同梱。初めての実験でも、一度事前に視聴すれば指導できるように細かい注意点も含めて撮影した。実験映像にはチャプター機能があり、ポイントを説明しやすくした。指定したチャプターのループ再生ができるので、その作業が終わるまで繰り返し提示できる。理科6年「電気の学習」の「プログラミングを体験してみよう!」では「暗いときだけ電気がつくプログラミング」に挑戦。実験手順もわかる。
「理科のたまてばこ」には関連資料や実験を提供。「声の高さでできる模様」の実験は必見だ。
教科書紙面からもARなどでデジタル教材にリンクしている。
アプリ「CACOAR2」を起動して教科書紙面の地球マークにタブレットやスマートフォンをかざすと、大日本図書「たのしい理科Web」の関連資料が起動。虫眼鏡や方位磁石の使い方、プログラミングの方法、教科書紙面に掲載している植物の名前、昆虫を3Dで観察できるコンテンツなど、子供が自由に視聴しても授業の進行に支障がなく、かつ授業への興味関心を喚起するものを中心に掲載。
学習者用デジタル教科書、学習者用デジタル教材、指導者用デジタル教科書を提供。
学習者用デジタル教材には、各種デジタルドリルやシミュレーション、アニメーションを収録。児童の学習履歴が一覧でき、付録の教員用ツールでクラス全体の学習履歴も一覧できる。
プログラミング教材「プログラミングにちょうせんしよう!」を全学年に搭載。1年生から4年生まではアンプラグドを中心に、紙教材+デジタル上で確認できる内容で、1年生は「迷路」のゴールにたどりつく「命令」を教科書付録の紙ブロックを並べ替えて考える。それをタブレット上に入力して実行すると命令通りに動くので、試行錯誤しながらミッションを達成する。
2年生は「すごろく」で、指定した枠にたどりつく命令を考えることを通して「ループ」の概念を学ぶ。
3・4年生はフローチャートでかけ算やわり算の「ひっ算」のやり方を分解。アルゴリズムを学ぶ。
5・6年生は正多角形やグラフをScratchで描画する。
学習者用デジタル教材では、上記をすべてタブレット上で個別に実行・体験できる。
指導者用デジタル教科書のみの場合は大日本図書「たのしい算数Web」にアクセスすればScratchコンテンツをデジタル上で実行できる。
さらに、アプリ「CACOAR2」を起動すると、教科書にタブレットやスマートフォンをかざすだけで紙の教科書のQRコードから該当の「たのしい算数Web」コンテンツに直接アクセスして教材を視聴できる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2019年10月14日号掲載