東京学芸大学では平成22年度から、教員養成カリキュラム改革のための委員会「情報教育のあり方に関する調査研究チーム」において、指導者用デジタル教科書や電子黒板等提示機器を含めた教育の情報化についても検討、平成23年度からカリキュラムに盛り込んだ。
すべての学生は、所属専攻(全19科目・複数枠開設もあり)に応じて「○○科と情報」を1年生後期に必修科目で取り組む。その授業の中の90分×2コマで、教育の情報化とそれを実現するための電子黒板等ハードウェア、指導者用デジタル教科書等ソフトウェアの紹介及び実演を取り上げる。
学内の大学教員には、この2コマの充実と内容の検討のため、事前に電子黒板や指導者用デジタル教科書等の紹介も行った。
同学の伊藤一郎准教授は「教育の情報化やそれに関するツールついての学生の認知度は、当初は非常に低いが、講義が進むにつれ、興味関心が大きくなる。自分がおかれていた学校環境を前提に授業を想像していた学生にとって、新しい教育ツールの存在の知識と体験は、授業案を考える際の発想が大きく異なってくる。教員になる学生が、早いうちにツールの存在を知り体験しておくことは絶対に必要」と話す。
現在電子黒板を附属小学校に設置準備中で、今後、指導者用デジタル教科書を教育実習で活用したい考えだ。各附属小で教育実習を指導する教員の指導の在り方との調整も必要ではあるが、小学校教員養成課程に「情報教育選修」の学生も所属していることから、可能な限り推進していくという。
「今後、大学の図書館等で学生が自由にデジタル機器やデジタル教科書等を試用できる環境整備が必要。そのためにも著作権等を含めた教科書会社等の協力が是非必要。良い知恵を出し合いたい」。
【2012年6月4日号】
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