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教育ICT

体育で遠隔創作表現や「跳び箱」に挑戦 オンラインで小中連携活動<杉並区立天沼小学校教諭 澤祐一郎氏>

2022年8月2日
第89回教育委員会対象セミナー・東京

教育委員会対象セミナーを7月12日、東京都内で開催。教育委員会と教員約100名が参集した。当日の講演内容を紹介する。


杉並区立天沼小学校
澤祐一郎教諭

杉並区立天沼小学校ではGIGA端末配備前よりプログラミング教育や学習者用端末活用に取り組んできた。GIGA配備後、活動はどのように進化したのか。同校の澤祐一郎教諭が報告した。

……・……・……

協働的な学びを通して情報活用能力を養うため「プログラミング教育」「情報モラル教育」「機器操作の習熟」3本柱で取り組んでいる。

プログラミング教育は情報教育年間指導計画を作成。自然に情報活用できるように全体で進めている。

1年生は、アンプラグド教材「PETS」を活用。PCなしで順次処理をプログラミング・理解できる教材だ。グループで相談し合いながら低学年も夢中で取り組んでいる。障害物を置くなどで難易度を上げることができ、ゆっくりと動くので、自分たちの組んだプログラム通りに動いているのかどうかがわかりやすい。

3年生ではScratchの基本操作を学び、4年生では目的に応じたプログラミングに挑戦。6月に開催する天沼まつりはその力を発揮する場になった。「ボーリング」「もぐらたたき」等、1~4年生の各クラスが様々なゲームを企画。私のクラスでは「君はモンスターハンター!」を企画。変則的に現れたり消えたり動き回るモンスターをScratchでプログラミングした射的ゲームで、当日は満員御礼。満足感の高い挑戦となった。

5年生の情報モラル教育では「SNSでいじめにあったら」をテーマに話し合った。教材はNHK for School「いじめをノックアウト」を使用。端末上で「仲間外れにされたことがあるか」を聞き、その結果を基にどう対応していけば良いかを考えた。

56年生はプログラミングロボット「Codey Rocky」やドローンを活用。いずれもScratchの経験を活かすことができる。暗闇になると励ましてくれるロボット、あっち向いてホイをして遊んでくれるロボット等、プログラミングにより様々な作品を完成した。

タイピング能力は特に中学年からは欠かせない。本校では4年生で実施。すきま時間に無料アプリで練習しているが、数か月で大きく伸びる。

Teams活用が新たな学びを広げる

コロナ禍の休校時に急速に活用が進んだMicrosoft Teamsは、その後、様々な活動に広がっている。

小中連携「未来サミット」では、Teams上で天沼中学校と、同校に進学予定の天沼小、沓掛小の6年生が意見交換。中学校生活への疑問などやりとりし、進学における不安を払拭できた。

総合的な学習の時間では商品開発・製造・販売などの体験活動を行った。エコバッグや紙石鹸など少人数グループで商品案を検討、ポスターを制作。企業の方の協力を得て、店舗販売などに取り組んだ。

■体育でVR跳び箱

体育では、新潟市立真砂小学校5年生と共通テーマを設定した創作表現を行った。オンラインで自己紹介し合うだけでも学びや発見がある。今後の変容を楽しみにしている。

VR跳び箱」にも挑戦。跳び箱に成功したときの身体感覚と実際に跳び箱を跳んだときの感覚を比較し、どんな動きをすれば成功したときの身体感覚に近づけるかについて検討し、実践した。友達同士で意見し合う時間も設け、実践を繰り返すことで、跳び箱運動の「動きの感じ」に近付くことができた。今後は他領域でも検証したい。

【第89回教育委員会対象セミナー・東京:2022年7月12日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2022年8月1日号掲載

 

  1. 東京都教育庁 主任指導主事 江川徹氏
  2. 鎌倉市教育委員会 教育指導課 指導主事 濱地優氏
  3. 豊田市教育委員会 学校教育課 教育センター所長 緒方秀充氏
  4. 杉並区立天沼小学校 教諭 澤祐一郎氏
  5. 春日井市立高森台中学校 校長 水谷年孝氏
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