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教育ICT

GIGAスクール構想でiPad1万2000台配備 休校期間はAndroid端末レンタルで緊急確保<鎌倉市教育委員会教育指導課指導主事・上太一氏>

2020年8月3日
第67回教育委員会対象セミナー・東京
鎌倉市教育委員会教育指導課指導主事・上太一氏

鎌倉市教育委員会教育指導課指導主事・上太一氏

導入予定のiPadの納品が中国の工場機能停止で間に合わない!そこで、鎌倉市(小学校16校、中学校9校、児童生徒数約1万2000人)では休校期間、すぐに入手できるLTEのAndroid端末を「生活・学習支援用タブレット」として2300世帯分(全世帯数約8000世帯)を期間限定でレンタルし、「学びを止めない」環境を構築した。上氏が報告した。

鎌倉市ならではの地域素材を生かした教育を目指し、2016年度からLTEのiPad活用を開始。当初はWindowsPCも併用していたが、2019年度、iPad上でGSuiteの活用を想定し、小学校16校にLTEのiPadを各校40台配備する準備を進めていたところ、GIGAスクール構想が始まった。そこで2月の補正予算でまずは3学年の1人1台配備分の予算を確保。ところが中国のコロナ禍により納品が予想以上に遅れることがわかった。そこで、最速で納品できる端末を期間限定で緊急配備することとし、家庭のWiFi環境を調査。必要と思われる約2300世帯分のAndroid端末(50GB・LTE)を2021年3月までのリース契約で確保。学習支援で使用するIDを発行し、端末使用承諾書と合わせて各家庭に封書で郵送。Android端末が届いたのは5月第4週。教育部総出で調査作業等に丸三日間かかった。

休校期間はオンラインHRから始めた。当初はZoomを予定していたが、当時のセキュリティトラブルにより市長部局もストップしたため、Webexで運用した。

家庭でドリル学習もできるようにeライブラリアドバンスを活用。これは家庭への連絡メールも使え、メッセージも一斉配信できる。子供とのつながりを確保できて、とても助かった。

家庭での端末活用やドリル学習、オンラインHRなど様々なことが同時に始まったため、教育委員会内に問合せ対応コールセンターも設置。教育委員会で行ったため、一週間ほど電話対応に追われた。これが最も大変であった。可能な限り、外部委託を検討することをお勧めする。

■オンライン生活・学習支援が定着

様々な激務はあったが、現在は、学校と家庭のオンライン生活・学習支援が定着してきている。学年懇談会や個人面談、研修なども一部はオンラインで実施。不登校や病弱等で出席困難等、状況によりオンラインで授業に参加している児童・生徒もいる。今後、何等かの事情で休校になったとしても、比較的スムーズにオンライン生活・学習支援ができるという手応えを感じている。

■GIGAスクール構想でiPadを整備

現在、iPad3999台の契約を完了。残り7200台分の導入については調整中だ。Webexも契約を延長した。

市が貸し出す形の個人管理を想定。充電保管庫も整備し、充電は学校で行う。

リース契約とレンタル契約を比較し、保守面で有利と考えてレンタルとした。教員が申請したアプリはその教員の学年全体にインストールするという運用を想定。

Googleアカウントは市が職員分を発行し、職員の異動先でも同じアカウントを使えるようにした。これにより職員異動時も事務処理が不要になる。各校に管理者IDを発行し、パスワード管理などを行えるようにする。

IDは名前を使用。フルネームのみだと教員のアカウントが予測できてしまうため、運用面についてPC選定活用委員会で検討していく。

Gsuiteは校務での活用から始め、教員の経験を積んでいく予定。GoogleClassroomの活用やPCの家庭への持ち帰り学習は段階的に進める。

■SINET接続を準備中

補助金対象の校内LAN整備も現在入札中。教育系ネットワークでは、校務支援システムを導入している両備システムズのデータセンターの高速化も図る。SINETへの接続も準備中だ。

今後、5G活用が現実的になる際、各事業者には、導入しやすい教育専用プランを提供してもらいたい。国もそのように強く働きかけてほしい。【講師】鎌倉市教育委員会教育指導課指導主事・上太一氏

【第67回教育委員会対象セミナー・東京:2020年7月22日】

教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2020年8月3日号掲載

  1. 鎌倉市教育委員会教育指導課指導主事・上太一氏
  2. 豊島区教育委員会庶務課学校ICTグループ係長・木本隆氏
  3. 木更津市教育委員会まなび支援センター主査・三木乾哉氏
  4. 川崎市立高津高等学校総括教諭・露木律文氏
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