中央教育審議会「学校における働き方改革特別部会」で部会長を務める放送大学教授の小川正人氏が、「教員の働き方改革」をテーマに、教員の労働時間増加の要因と、特別部会での今後の論点について講演した。
小川氏は平成28年度の勤務実態調査(文科省)から、教員の業務内容ごとに10年前との結果を比較し、小学校・中学校ともに授業・学習指導関係の業務を中心に業務時間が増加している点に注目。
「国による正規の職員定数改善がない中、各自治体が少人数指導や補習指導などを行い、教員が負担を強いられてきたのが要因ではないか」と指摘。今後は学校の組織運営体系の在り方、学校の労働安全衛生管理の在り方、時間外勤務抑制に向けた制度的措置の在り方、中でも制度的措置として、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法」(給特法)の検討が中心になると言及。
「給特法は、教員の勤務時間の管理を適正に行う意識の希薄化を増長している。限定4項目以外の業務の時間外勤務をどう把握し、いかに抑制するか、時間外勤務に対して金銭と休息のいずれでどのように措置するかがポイント」と語った。
自身の意見として、現在の学校教育が膨大なただ働きの上に成り立っているとし、「教職員定数の改革にもっと予算を投入すべきだ」と語った。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年4月2日号掲載