社会の急激な変化が進む中で、子供が予測不可能な未来社会を自律的に生き、社会の形成に参画するための資質・能力を育成するため、学校教育の改善・充実が求められている。
文部科学省「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」は平成29年3月、「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議 論点整理」を公表。そこでは、学校が「地域の誰もが学び、活用する場であるという視点に立ち、ユニバーサルデザインの採用をはじめ、人に優しい施設として整備していくことが極めて重要」と指摘。教育面や安全面、機能面の改善が求められている。
その一例として、「空調、トイレ整備など、劣悪な施設環境の解消による健康的な施設環境の確保」「音、温熱環境など、室内の基本性能の確保」が必要であるとしている。
学校における業務改善も重要な施策として位置付け。学校が教育活動に専念するための支援体制の構築が求められている。
平成30年2月に公表された「学校における働き方改革に関する緊急対策の策定並びに学校における業務改善及び勤務時間管理等に係る取組の徹底について(通知)」では、「学校における働き方改革」の実現に向けた環境整備を求めた。
政府全体の「働き方改革実行計画」では、時間外労働の上限を原則月45時間、年360時間と示した。それを参考に、教員が長時間勤務により健康を害さないための勤務時間に関する上限の目安を含むガイドラインを検討中だ。
ガイドライン案には教員についても「時間外労働の上限を月45時間、年360時間」を原則としている。
さらに「児童生徒等に係る臨時的な特別の事情により勤務せざるを得ない場合についても、勤務を要する日の在校等時間のうち、条例等で定められた勤務時間を超えた時間の1年間の合計が、720時間を超えないようにすること。この場合、勤務を要する日の在校等時間について、条例等で定められた1日の勤務時間を超えた時間の1か月の合計が45時間を超える月は、1年間に6月までとすること」が盛り込まれそうだ。
勤務時間の上限を超さない手立ての1つとして、「保護者や外部からの問合せ等に備えた対応を理由に時間外勤務をすることのないよう、緊急時の連絡に支障がないよう教育委員会事務局等への連絡方法を確保した上で、留守番電話の設置やメールによる連絡対応等の体制整備に向けた方策を講ずること」を求めている。
教育家庭新聞 新春特別号 2019年1月1日号掲載