教育委員会対象セミナー・名古屋 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育委員会や学校の整備担当者を対象に実施している「教育委員会対象セミナー〜ICT機器の整備と活用・研修」が、1月29日福岡で、2月16日に名古屋で開催された。次回は3月31日に岡山で開催される。
詳細=www.kknews.co.jp/semireport

一斉・個別・協働 特別支援で調べ学習 松阪市立殿町中学校・林敬泰教諭

松阪市立殿町中学校・林敬泰教諭
松阪市立殿町中学校
林敬泰教諭

タブレット端末を
426台整備・活用

三重県松阪市立殿町中学校は平成26年10月からタブレット端末の活用を開始。指導者用タブレット35台、学習者用タブレット391台とあわせて、タブレットを収納する充電保管庫13台も導入。従来の一斉学習や個別学習と並行しながら協働学習に重点を置いた実践に取り組んでいる。

導入にあたり学年集会でタブレット端末の使用ルールを説明。当初は収納ラックから出して使えるようになるまで5分以上かかり授業に支障が出るほどだったが、保管庫からの出し方、授業での使い方、片付け方などは授業を通して次第に慣れ、現在ではスムーズな活用が行われている。

使用ルールについては生徒会と生徒指導担当、研修担当の3者で考え、各教室に掲示。使用規律の定着を図った。また、校内LAN環境を構築するため、無線Wi‐Fiとアクセスポイントを普通教室や特別教室の天井と壁に設置。常時ネットを活用した授業が行いやすくなった。

平成27年度からは文部科学省委託「ICTを活用した教育推進自治体応援事業」の実証校となり、松阪市教育委員会指定「新たな学びの創造事業」「ICTを活用した学びの推進プロジェクト事業」と合わせてICT機器の活用が加速した。「学び合いを育む協働学習のためのICT機器の利活用」を研究テーマに掲げ、生徒1人1台のタブレット端末を活用した効果的な活用を検証している。

「新たな学びの創造事業」では三雲中学校や飯高東中学校とともに市教委の助言を受けながら研究を進めている。現在、松阪市では2名のICT支援員がおり、指定を受けた3校を巡回する形で事業をサポート。タブレット型端末の授業での活用、校内研修会のサポート、ハード・ソフトの管理業務など教育の情報化の後押しをICT支援員が行っている。

校内研修会では奈良教育大学の小柳和喜雄教授を迎え、「ジグソーを活用した教育指導法」や「学習課題設定と学び合いによる課題解決のパターン」などをテーマに4回にわたり協働学習について学んだ。

2年生の修学旅行では各自にタブレットが渡され、旅行先で写真や動画を撮影、事前に撮影しておいた自己紹介の動画をもとにグループに分かれてプレゼンテーション動画を作成した。修学旅行でアップルストア銀座を訪問してiMovieを使った動画の編集技術も学んだ。

3年生は職業体験後、体験時に記録した日記と感想ワークシートをもとに、タブレット端末でプレゼンテーションを作成。プレゼンでの表現方法やパワーポイントの機能については生徒が互いに教え合う姿が見られた。
特別支援学級のチャレンジタイムでは、野菜の育て方の調べ学習に始まり、カメラ機能での記録、調理アプリでのレシピ検索、プレゼンテーションアプリでの情報共有などでタブレット端末を活用した。

林教諭は、タブレット端末が協働的な学びを実現する道具となるよう、授業づくりや活用のあり方について検証を深め、優れた活用により、主体的に学ぶ生徒の育成を図りたいと報告した。【講師】松阪市立殿町中学校・林敬泰教諭

 

【第29回教育委員会対象セミナー・名古屋:2016年2月16日】

【2016年3月7日】

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