教育委員会対象セミナー・京都 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育委員会や学校の整備担当者を対象にした教育委員会対象セミナーが8月7日、京都市内で開催された。主催は教育家庭新聞社。今回で第25回、今年度2回目となる本セミナーは、総合教育会議の影響か、首都圏を中心に全国の教育委員会からこれまで以上に多彩な部署の参加があった。10月は大阪、12月は東京で開催する。詳細日程は教育家庭新聞Webへ。
詳細=www.kknews.co.jp/semireport

統合計画や大綱にICT推進を明記 奈良市教育委員会 石原伸浩参事

奈良市教育委員会 石原伸浩参事
奈良市教育委員会
石原伸浩参事

アクティブ・ラーニングの効果も検証

ICTの整備には大きな予算の確保・説明責任・具体的な推進策の3つが必要だ。石原伸浩参事はそれを乗り越える手立てについて語った。

仲川げん奈良市長は質の高い公教育の実現を目指し、「公教育の質と信頼を高める取組を優先する」として教育における重点施策の一つに「タブレットを使った奈良市版フューチャースクール構想」を盛り込んでいる。

平成25年11月から開催している「奈良市教育ICT戦略会議」では、清水康敬名誉教授(東京工業大学)を始めとする学識経験者から最新情報やアドバイスを得た。また、予算を確保し、ICT教育を推進するためには、議会の承認を得た市の総合計画や「大綱」にICT教育の推進を位置付ける必要があり、平成26年度には「奈良市教育振興戦略懇談会」を開催。有識者のほか、市長、教育長が参加し、意見を聞く。

現在、市が策定している総合計画後期基本計画の「総論」では、「社会をたくましく生き抜く教育の重要性」を述べ、「各論」では施策の展開方向として「教育におけるICTの活用を充実させ、アウトプット型授業を推進する」と「ICT教育の推進」を明記。第1回総合教育会議では「大綱」の策定について市長と教育委員で協議。「大綱」には、ICT教育を重点政策として位置づけ、大綱に基づいて具体的な推進計画(スケジュールやゴール)を示していく予定だ。

エビデンスについては、産官学連携によってその教育効果を示していく。平成26年度にパナソニック教育財団との連携で「ワンダースクール応援プロジェクト」を実施。モデル校6校にタブレットPCを配備して「新しい学力」「確かな学力」の育成に取り組んでおり、効果を検証した。

今年度は、小学校3校、中学校1校を新たにモデル校に指定し、小学校4年生以上・中学校全学年に1人1台のタブレットPCを計565台整備。アクティブ・ラーニングや持ち帰り学習の効果検証等の研究を進める。モデル校の中間報告は今秋に行い、来年度以降の予算確保やICT教育の推進につなげていく考えだ。来年1月29・30日に奈良市で開催される第10回小中一貫教育全国サミットでは、タブレットを活用した授業公開もモデル校で予定している。(講師=奈良市教育委員会 石原伸浩参事)

【第23回教育委員会対象セミナー・京都:2015年8月7日】

【2015年9月7日】

 

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