教育委員会対象セミナー報告 福岡開催

学校教育ネットワーク 活用で校務の情報化 ― 佐世保市教育センター 主査 永谷 伸二氏

佐世保市教育センター 主査 永谷 伸二氏  佐世保市教育委員会では校務の効率化を図るため、以下6つの方策を立てた。(1)イントラ及び機器の整備とセンターサーバによるデータの一元管理(2)教育用グループウェア「スクールネット佐世保」によるシステム操作の簡略化(3)ファイルサーバによる教育情報の共有と収受(4)「児童生徒理解支援システム」による個別支援の充実(5)「校務支援システム」による各種帳簿作成事務負担の軽減化(6)業者委託によるシステムサポート体制の充実

  佐世保市学校教育ネットワークは、超高速インターネット接続(100mbps)により全小・中学校76校のネットワークを敷設。情報を一元管理化することでセキュリティを向上し、事務処理も効率化した。サーバ保守は業者委託でサポート体制も充実した。

  校内LANは教師用、児童生徒用、共用の3回線とした。管理用サーバ約20台、教育用PC5300台、PC教室用サーバ75台、計約5400台を整備している。

  教育用グループウェア「スクールネット佐世保」導入により、電子メール、学校間の連絡、スケジュール管理、学校HPの更新、ファイルサーバへのアクセス、各種システムへのリンク、教育資料データベースへのアクセスが可能で、TV会議システムとも連係している。

  平成16年に本市で起こった痛ましい事件を受けて、複数の教師の目で子ども1人ひとりを見つめ、情報共有できるシステムの構築が必要であるとの結論から、「児童生徒理解支援システム」を導入。児童生徒情報をデータベース化し、それぞれの子どもの良さや頑張りなどのほかアレルギー等健康情報などの配慮事項も情報共有し、個に応じたきめ細やかな指導や支援ができるようにした。なお記録は義務教育卒業時に消去される。

  「校務支援システム」は「児童生徒理解支援システム」と部分的にデータを共有することで再入力の手間を省いている。複数の教師が操作・入力できるようにしており、帳票の書式変更に柔軟に対応できる。指導要録及び抄本、調査書、成績一覧表、健康診断票などのデータを一元管理し、システムの保守は業者に委託している。「指導要録や調査書は事務的な書類、手書きにこだわる必要はないと考え、システム開発に取り組んだ。これにより多数の先生方の負担が軽減されれば、教育効果の向上につながる」と話す。運用研修会では「よくできたシステム、ありがたい」「校務軽減という視点が明確で直感的に使えるように仕上がっている」と好評であった。

【第9回福岡開催】

 

>>【教育委員会対象セミナー】福岡・名古屋で開催

【2013年3月4日】

関連記事

教育家庭新聞セミナー日程