教育委員会対象セミナー報告 福岡開催

ICT利活用を推進 デジタル教科書やiPadも ― 武雄市教育委員会 学校教育課指導主事 竹内 智道氏

武雄市教育委員会 学校教育課指導主事 竹内 智道氏 佐賀県武雄市は小学校11校(分校3校)、中学校5校、計16校。わかる授業や校務の情報化による効率化の実現などを目的に情報化を進めている。電子黒板は簡易型も含め、85台(小学校126学級中60台、中学校48学級中25台)を整備済。平成23年度、指導者用デジタル教科書には、全小学校に国語(全学年)、算数(2年生)を整備。算数のデジタル教科書は各校判断で8校が全学年整備した。平成24年度は全中学校全学年に国語、数学、理科、英語を整備した。

  グループウェア及び校務用PCについては平成22年度より整備。職員室の連絡黒板への転記が不要になり、回覧板も誰が見ているのか分かるようになった。メール配信システムにより、市内でメールのやりとりが簡単にできるようになった。

  平成22年度からは、特別支援を中心にiPad243台(市費・学校教育ICT人材育成事業・学校教材費など)を2校に配備。市費での整備が最初だが、好評であり要望があったことから、総務省絆プロジェクトにより導入台数を追加。さらに希望のあった4小中学校が、現在1〜2台程度配備している。今後は、総合的な整備が課題であると考えている。電子黒板及び実物投影機は4〜6年生の各学級に1台整備。総事業費9225万円のうちiPadの整備費は2079万円であった。

  iPad活用のために、学習内容の定着確認ができるアプリ、学習管理アプリ、電子黒板と連携できるアプリ、ドリル学習アプリを導入。問題提示や配信、解答状態の把握ができ、児童生徒の定着率も分かる。

  セットで導入した実物投影機と電子黒板の活用率を毎月調査しているが、デジタル教科書の整備により、利用率が上がった。

  平成24年度はICT支援員を市費3、緊急雇用6の計9人を配置。当初は機器活用の補助に、次第に教材登録や授業づくりの補助と、支援内容が変わってきている。

  市ではICT推進リーダーを各校に設置し、県主催のリーダー研修(年10回)に参加している。iPad推進連絡会も年3回開催。平成24年度は公開授業研究会を小学校4校、中学校1校で公開した。9月より新規で、市内教員の自主的な学習会である「武雄市ICTスキルアップセミナー」を開始。教科ごとの利活用について研修を行っている。

  今後は電子黒板の全教室整備やiPadの家庭への持ち帰り、デジタル教科書の、より効果的な活用方法の研究が検討課題だ。市部局に積極的に学校を見てもらい、保護者アンケートの実施・分析などにより、予算獲得に向けて取り組む考えだ。

【第9回福岡開催】

 

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【2013年3月4日】

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