APPLICでは、昨年度成果物として「教育クラウド整備ガイドブックV0・5」を公開している。これは、自治体・教育委員会における教育クラウド整備を目的に、自治体の情報政策部門及び教育委員会の意志決定者、情報化担当者がクラウドを取り入れる際に検討が必要な項目や方向性、調達方法、推進体制、導入事例をまとめたもの。
本ガイドブックでは、クラウドの配置モデルとして「パブリッククラウド」「プライベートクラウド」「コミュニティクラウド」「ハイブリッドクラウド」の4つに分類している。
■パブリッククラウド=個人から企業まで、不特定多数の利用者が使用できるクラウド基盤。
■プライベートクラウド=特定自治体や学校など単一の組織のみがアクセスできるクラウド基盤。運用管理は、自社型と他社型がある。
■コミュニティクラウド=複数の組織のみがアクセスできるクラウド基盤。複数自治体や教育機関など、共通の利害関係を持つ組織で共有する仕組み。運用管理は、自社型と他社型がある。
■ハイブリッドクラウド=2つ以上のクラウド(パブリッククラウド、プライベートクラウド、コミュニティクラウド)を組み合わせて構成されるクラウド基盤。標準技術や独自技術により各クラウドが結び付けられており、データとアプリケーションの連携を実現する仕組み。
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クラウド上で扱う情報は多岐に渡る。校務支援、学習情報、コミュニケーション、学校経営等に関するものと多岐のデータがある。ガイドラインでは、個人情報などセンシティブ情報を含む場合はプライベートクラウドまたはコミュニティクラウド、非センシティブ情報の場合はパブリッククラウド、といった利用コストを考慮した組み合わせを検討することが望ましいとしている。
本バージョンで掲載されている教育クラウド構築事例は、北海道、静岡県富士市、千葉県千葉市の4件。静岡県富士市では、校務について自宅での利用も可能とした。千葉県千葉市では、校務と共に学習システムもクラウドで構築している。
今後、クラウド整備により得られる効果、導入後のマネジメント、利用者サポートの在り方について、事例を中心に調査、さらに内容を充実させていく予定だ。
増えるサービス調達
資産を持たずに質の高いサービスを受けることができるのが「サービス調達」といわれるものだ。物品ではなく、校務支援システムの配布とウィルス対策、グループウェアの利用といった、利用できる「サービス」の提供を受けるというもので、資産は持たない。サービス調達のメリットとして(1)費用対効果が出しやすい (2)業務に即した仕様書が作成できる (3)セキュリティ対策 (4)機器の構成や製品のバージョン等を把握する必要がないなどのメリットがある。
【2012年10月8日】
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