【特集】校務の情報化(2012年10月8日号)

指導要録・健康診断票を標準化−全国地域情報推進協会

 校務の情報化は進みつつあるが、各自治体・教育委員会独自に検討が進められており、標準化に関しては進んでいなかった。そこで一般財団法人全国地域情報化推進協会(以下、APPLIC)では、学籍、成績、保健、備品管理など多岐にわたる学校業務においてデータ連携の標準化を図っている。指導要録、健康診断票の標準化について、自治体・企業・有識者が協力し「教育情報アプリケーションユニット標準仕様V1・0」を作成、6月から公開している。

全国地域情報化推進協会

■教育情報アプリケーションユニット標準 仕様V1・0とは

APPLIC
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  教育情報アプリケーションユニット標準仕様V1・0とは、通信インターフェイスを統一することで、学習者(児童・生徒)の様々な情報を1個人単位でデータ連携可能とする仕組み。

  学校間や教育委員会間においてデータが共有できるようになり、学齢簿との連携や転校・進学処理の電子化等業務の効率化を図ることができる。また、公立の小学校・中学校の校務支援システム導入・更新の際には、他社システムに更新してもデータを活用できる。

  複数社のシステムを組み合わせて運用しても学籍情報等を共有できるようになるため、既存システムの活用によるコスト削減や電子化の加速・利用者利便の向上が可能だ。

  今後、時代の変化や社会のニーズに合わせてバージョンアップしていく。なお本仕様は各社校務支援システムの機能や性能を規定するものではない。

■専門家を無償で派遣

  APPLICでは平成22年度より地域情報プラットフォーム導入の検討に関して全国の自治体へ無償で専門家を派遣している。24年度事業としては20地域程度を予定。

  自治体において、地域情報プラットフォームと自治体クラウドの関係を明確にした上で、自治体クラウドの導入パターン別に、地域情報プラットフォームを活用した場合のメリット等を紹介、対応する。なお本年度は、既に大分県大分市、山梨県、山形県、宮城県石巻市、岡山県倉敷市、愛媛県などへの派遣が決定している。

■APPLIC推奨マークも

  APPLICでは、「教育情報アプリケーションユニット標準仕様V1・0」に対応した校務支援システム製品に対し、APPLIC推奨マークを付与する活動を行っている。指導要録および健康診断票に関わる校務システム製品を導入、調達する場合には、このマークを取得していることを推奨している。
準拠登録一覧は随時更新。lhttp://www.applic.or.jp/pf/entry/ak-unit.html

【2012年10月8日】

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