バイオコーク技研はクリーンエネルギーとして注目される水素を利用し、家庭用燃料電池やスマートフォンやノートパソコンの電源として使える「マグポポ(マグ水素ポータブル発電機)」を開発した。小型の筐体で、上部の蓋を開けて手のひらサイズの固形タブレットを充填したカセットを発電機に装着するだけで発電が持続する。家庭用100Vコンセントが設置されており、USB電源としても使用でき、停電時や災害時の非常用電源また山岳・離島での電源にも活用できる。
また、水素を電気エネルギーに変換する仕組みが学べる燃料電池付きの学習用実験教材(MgH2の加水分解を利用した安全な教育用キット)があり、防衛省、工業高校、工業高等専門学校、大学などの実験教材として既に25基導入されている。
燃料電池「マグポポ」の原料となる水素化マグネシウム(MgH2)は、単位質量あたりの水素吸蔵量が7・6wt%と多く、原料のマグネシウムは地球上で8番目に豊富に存在する物質だ。
しかし、MgH2は水素吸蔵放出速度が遅いという欠点があった。
そこで、バイオコーク技研は北海道大学工学部研究院教授 秋山研究室との共同研究の結果、加水分解によりMgH2の水素放出難の問題を解決。さらに、水に含まれるH2をも利用して、最大15・2wt%と最高水準の水素発生量を実現、その工業生産に世界ではじめて成功した。
MgH2は化学的に安定しており、また安価で軽量(アルミより軽い)なので、高純度の水素を安全安心・クリーンに貯蔵・輸送・供給することが可能になった。
使用後のMg(OH)2は、半導体機器の封止剤、合成ゴム、プラスチック、セラミックスなどの添加剤や、土壌改良剤としても利用可能で、現在、国内で生産されている年間4〜5万トンの代替される可能性がある。
一般向けのマグ水素の水素化率は90〜95%、95〜98%、98%以上の3種類の粉体又は固形タブレットを販売している。
■バイオコーク技研株式会社 電話03‐4334‐1400 詳細 http://www.biocokelab.com/
〈註〉「マグポポ」「マグ水素」は、バイオコーク技研の登録商標です。
【2013年8月19日号】