教育家庭新聞社は6月19日、「高等学校における1人1台端末整備と活用」をテーマにオンラインセミナーを開催。熊本県、岐阜県、山口県の講演内容を報告する。
本県では生徒用端末として高等学校にSurface Go2、中学校等にdynabook k50、特別支援学校にiPadを、教員用端末として高等学校等にSurface Pro7、特別支援学校にiPadを計約3000台配備した。無線APは普通教室と選択教室、各校の特別教室5部屋程度、体育館、職員室に配備。管理用サーバで一元管理している。今年度は各校15教室程度を増設予定だ。
大型提示装置は普通教室、選択教室、特別教室各校5部屋程度に配備。指導者用デジタル教材も今年度に配備予定だ。
この活用を進めるため、「やまぐちスマートスクール構想」の推進を目標に、次の3つの視点の学校づくり「一人ひとりに合った学びで力を引き出す学校!」「海外・地域・他校とつながる学校!」「安心・安全で一人ひとりを大切にする学校!」に取り組んでいる。
やまぐちスマートスクールポータルサイト(YSS)も運用。進学・就職情報等、県立高生にとって有益な情報を提供するため、端末のブラウザを起動した際、本ポータルサイトを最初に表示するように設定した。
教職員支援機構(NITS)山口大学センターと連携してICT活用推進リーダーを育成。小中学校、特別支援学校、高等学校を対象に年2回行う。初回の研修終了後に各所属校で校内研修を実施。さらに小中学校は研究授業を、高等学校は県内13会場でエリア別にICT活用サテライト研修を実施している。
ポータルサイト「やまぐちICT新たな学びラボ」(YAMA―LABO)も公開。随時更新している。内容は、授業活用・校務活用に関する情報で、研修動画や授業提案、県内の取組紹介ほか。研修動画では、GoogleWorkSpace、MicrosoftTeams、Zoomのログイン方法やクラス・チャネルの作り方などを掲載している。
本県の教育を先導していくシンクタンク「やまぐち教育先導研究室=YELL」の取組として、まなびで『きびる』プロジェクトもスタート。「きびる」は山口弁で「結ぶ」の意味だ。探究的な学びにおける教育プログラムを開発する。
このほか今年度の予定として、統合型校務支援システムの全高等学校導入と教育データの活用推進も予定。
高校生ICT活用コンテストも開催し、ICTへの関心を高め活用スキル向上等を図る。
全ての高等学校等で障害や入院等で通学できない児童生徒(希望者)にオンライン授業を実施する体制やオンライン教育相談体制を整備。障害や疾病等により通学が困難な児童生徒に学びの機会を保障するため分身ロボット等も活用する。
【オンライン高等学校IT活用セミナー・高等学校1人1台端末活用:2021年6月19日】
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2021年7月5日号掲載