【ICT活用指導力を育む】教員養成学部と附属学校の連携を強化

"教える授業"から "学ぶ授業"に転換ー宮城教育大学

モデル校は附属学校から公立校に拡大

文部科学省では平成25年度から、自治体と連携し、地域を志向した教育・研究・地域貢献を進める大学等を支援することで大学の機能強化を図る「地(知)の拠点整備事業」を実施している。これにより、課題解決に資する様々な人材や情報・技術が集まる地域コミュニティの中核的存在としての機能を強化する。

宮城教育大学
ノートを撮影して全体で共有する
宮城教育大学
スピーチを録画して改善点を話し合う
宮城教育大学
「総合」で防災マップを作成する

宮城教育大学も同事業に採択されており、宮城県、仙台市、学識研究者、宮城教育大学の協業で「教育再生への提言」「教育組織の改革」「教育カリキュラムの改革」などに取り組んでいる。

「宮城協働モデルによる次世代型教育の開発・普及」では、「教える授業」から「学ぶ授業」への転換を目指し、ICTを最大限に活用しながら「学ぶ授業」を創造できる教師すなわち「イノベーティブ・ティーチャー」を養成する仕組みを産官学連携により開発、普及を図る。

具体的には、実際の授業コンテンツなどをクラウドサーバ上に蓄積し、教員コミュニティの仕組み(CIT=Cloud for Innovative Teaching)を構築。サーバにアップロードされるコンテンツは、授業記録動画(5〜10分程度のダイジェスト授業なども含む)や授業素材画像、教材コンテンツおよび指導案などを予定。アップロードされる授業コンテンツは、附属3校園および県教育委員会と市教育委員会から推薦を受けた公立3〜5校程度のモデル校の授業と大学の各講義データなどが対象。

CITには、全大学教員・全学生約1700名、県教委、市教委指定現職教員、授業研究指定校教員、参加企業、外部有識者などが参加。教科別、授業研究別などに専門コミュニティをCIT上に生成し、それぞれの研究領域に則した授業記録を、当事者間で常に共有できる環境を整えることにより、議論の活性化を図っていく。

モデル校では、ICT活用をベースにしつつ先導的な指導力や校務支援等の実証研究を推進していく。モデル校は附属学校園より開始、年度毎に公立学校へと拡大していく予定だ。

■端末3種類を120台ー宮城教育大学附属中学校

宮城教育大学附属中学校は平成26〜29年度(4年間)、文部科学省の研究開発学校として以下のテーマに取り組んでいる。▽デジタルの特性を理解し、活用することで、基礎力・思考力・実践力を養う。▽唯一解のない課題に対して、最適解を創造する力を身に付けさせる。

同校の浅水智也教諭(技術科)は「大量の情報をどう処理するかが課題の一つ。デジタルの特性をしっかりと押さえ、状況に応じて最適な方法を選び、そこから検証して新たな価値や考えを創造する力は、多様な社会や未来にも対応できる能力を身に付け活躍する力に結びつく」と述べる。

また、技術科では、3Dプリンターも授業に取り入れ、アナログとデジタル双方の良さを体感することに役立っているという。

平成24年度からICT環境を整備。現在の環境は以下。

▽プロジェクター6台(移動式) 
▽電子黒板=普通教室とホールに16台 
▽タブレット端末=iPad40台・Android40台・Windows40台(PC室) 
▽無線LAN環境=アクセスポイント(AP)約30台 
▽協働学習支援ソフト 
▽ICT支援員1名・週3日

■AP55台で快適に接続ー宮城教育大学附属小学校

平成24年度からICT環境を整備。

▽無線LAN=AP55台 
▽電子黒板=全普通教室と特別教室一部70インチ27台 
▽タブレット端末=児童用iPad125台、教師用iPad40台、Windowsタブレット37台、ハイブリッドPC37台 
▽AppleTV 
▽レーザープリンター6台 
▽協働学習支援ソフト 
▽ICT支援員(平成26年3月〜)1名・常駐

【2014年9月1日】

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