教育委員会対象セミナー名古屋 ICT機器の整備計画/校務の情報化

学校HP ブログ導入で更新率が向上―浜松市教育センター 白井伸博氏

20分間研修で更新作業・即公開

  浜松市(小学校104校・中学校49校・幼稚園67園・高等学校1校)では、平成21年度まで、多くの学校でICT支援員が学校HPを更新していた。ところが22年度にICT支援員が廃止。その後、各校で学校HPの更新を行うことが難しく、教育委員会に問合せが相次いだ。各校によって学校HPの作り方はバラバラで、更新のための講習をしても対応は難しく、長年の蓄積でサーバー上のデータも膨大になっていた。

  そこで、ブログを活用した学校HPとすることに決めた。ブログの場合、同じフォーマットで簡単に更新でき、管理しやすいというメリットがある。各校でスムーズにHPが更新できるようにするため、教育センターでは参加型研修の他に、園・学校からの要請を受けて、指導主事が情報教育やHP更新、ブログ開設に関する校内研修について、教職員に対し直接支援を実施することができる態勢づくりを構築。教職員研修ガイドブックに「情報教育の校内研修支援」として掲載した。

  また、「浜松市版ブログを開設してみませんか?講習会(出前講座)は20分程度で終了します。夏休みにおすすめです」と、5月に開催された研修会で配布されるリーフレットに記載。各校に研修支援を提案し、広報活動にも注力した。

  具体的な流れとして、研修要請は随時電話で受け付け、研修依頼があった学校HPをその場で確認。研修支援の前段階として、その学校のHP更新の状況と特徴を把握した。その後、浜松市教育ネットワークのメールシステムを使って、要請のあった学校と教育委員会とで日程調整のやりとりを行い、研修日時を決定した。

  ブログ開設にあたり、ブログデザインのサンプルを何種類か提示し、学校はそこからお気に入りのデザインを選ぶ。その後の手続きとして、学校から学校施設課、そして、保守業者のNTT西日本に連絡。開設できるように準備を進めた。
研修支援には、「画像処理マニュアル」「ブログ作成簡単マニュアル」「HP更新マニュアル」を準備し、要請のあった園・学校の全教職員に研修資料と、ブログ管理画面のURL(ID、パスワードも)を送付した。

  研修支援時には、各校の校内サーバのデータ整理やトップ画面の修正、管理用フォルダの作成などを行った。

  学校の全教職員を対象とした講習会は20分程度。ログインして画像と本文をアップする更新作業を行い、そのまま学校HPに公開することで、達成感を味わえるように工夫した。

  また、肖像権や著作権に関する事項の確認は重要事項として強調して伝えた。

  事後指導として、HP更新に関する電話相談に対応。原因を確認して各校にアドバイスを行っている。

  他校のHPが改善されることで、研修依頼は年々増え、22年度以降、小学校で34校、中学校で16校がブログに移行しており、現在も依頼が続いている。

  研修支援を行った各学校への事後アンケート調査によると、研修支援について「大変良かった」が100%と大変満足感の高さがうかがえた。理由は「ブログ作成の方法、手順が具体的にわかった」「指導がわかりやすい」「すぐに活用・発信できる状態での研修で、学校HPが活性化した」「簡単にできることが分かり、職員の意識が高まった」など。

  研修支援以降、「学校HPの更新回数が増えた」という学校が最も多い。また、「学校の様子がよくわかると保護者から好評」「ブログの閲覧数が増えた」も多い。中には「学校HPが明るくなることで、学校の雰囲気そのものも明るくなった」という意見も複数校あった。ブログ更新を今後も頑張りたい、他のテクニックも学びたいという新たな意欲も生まれているようだ。

  情報発信は学校の役割であり、見る側を意識して作成することも役割の1つ。4年間にわたる学校への研修支援で分かったことは、学校には伝えたいことがたくさんあるということ。学校がすぐに情報を更新できる、という仕組みさえあれば、教職員は情報発信に積極的になる。また、情報社会を生きる子どもたちを教育する立場として、情報発信を自ら経験することも重要であることを改めて感じた。今後も、各校を積極的に支援していきたい。(浜松市教育センター指導主事 白井伸博氏)

【教育委員会対象セミナー・名古屋:2014年2月14日】

【2014年3月3日】

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