【特集】指導者用デジタル教科書(2012年10月8日号)

全中学校にデジタル教科書6教科導入−西宮市教育委員会

国語・数学・理科・英語・地理・歴史・公民・技家

  西宮市教育委員会では、中学校全20校で2学期から指導者用デジタル教科書6教科を全学年に導入する。導入されたのは、国語、社会(地理・歴史・公民)、数学、理科、英語、技術・家庭科の指導者用デジタル教科書。中学校PC教室の機器更新に合わせ、学習用コンテンツとして整備した。

  整備にあたっては、本年5月、上記6教科の各部会を対象にサンプル版を提供し、指導者用デジタル教科書の必要性についてアンケート調査を実施。導入を希望する声が多かったことから、決定した。なお、音楽、美術、保健体育については、各教科の教師用指導書にデジタルコンテンツ等が添付されており、今回は対象外とした。

  西宮市では各校に学校管理サーバを設置しており、デジタル教科書はそのサーバにインストール。校内のどの教室からでもアクセス、活用できるようにしている。

  提示環境については、平成21年度のスクール・ニューディール事業において各中学校に、電子黒板1台、プロジェクター3台、デジタルテレビ3台の計7台を整備済。さらに、今夏中学校1校において情報化モデル校として、デジタルテレビを小学校から移設し、全学級に整備した。なお、既に全小学校の全学級にはデジタルテレビ等提示環境は整備済だ。

  教育委員会では、提示環境について各中学校の現有ICT機器を、学級規模に合わせて、普通教室や特別教室、多目的教室などで常設に近い形で利用するなど、様々な工夫をしながら機器活用を図っていく。

  学校情報システム課の星川雅俊課長は、「教室に提示環境を常設すれば活用が進むのは既に明らかになっている。小学校では普通教室等でのICT活用が当たり前になっている中、今後は中学校でも同様の環境整備を目指していきたい」と話す。平成26年度末の更新時に合わせ、中学校の全教室にも提示環境を整備したい考えだ。

  中学校において先行してデジタル教科書を整備することで、ICT活用に関する教員の意欲を引き出し、今後の中学校でのハードウェア整備を含めたICT環境の在り方について、財政状況を勘案しながら方向性を見極めていく。

【2012年10月8日】

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