宇都宮市教育委員会教育センターは本年4月、「学校ICT化推進基本計画」を公表した。5年後の平成28年度までに、「情報活用能力が身についたと回答する中学校3年生の割合」62・5%(平成23年度3月)、「ICT活用指導力が身についていると回答する教員の割合」85・9%(同)をそれぞれ100%にする。その目標達成のためにはICTの活用が欠かせないとし、デジタル教科書を始めとする整備に着手している。
教室環境の整備で目標を達成する
「児童生徒の情報活用能力100%」「教員のICT活用指導力100%」という目標達成のためにはICT環境整備が必須であるとし、整備に向けた取り組みと整備内容について検討していく。
既に市では、普通教室・特別教室への大型デジタルテレビや後付け型電子黒板、書画カメラ、指導者用デジタル教科書、全教員に校務用PCの整備、発達段階に応じた情報モラル教育の推進、指導資料データベース活用、授業や評価における教員のICT活用、児童生徒のICT活用ほかに取り組んでいる。
デジタル教科書は 小学校で4教科 中学校で5種類
指導者用デジタル教科書については、小学校では昨年度及び今年度の2年間で、全小学校68校に、国語・算数全学年分、理科3〜6年、社会5〜6年を導入した。なお図工は指導書添付を活用。
中学校全26校においては今年度から全校に、理科、地理・歴史・公民、地図帳、英語のデジタル教科書を導入。数学においては指導書添付の教材を活用する。
ICT効果に 保護者も期待
同市が平成23年6月に教職員、保護者、児童生徒2548名に実施したアンケートによると、いずれも90%以上が「授業でICTを活用することに効果がある」と回答しており、全普通教室の環境整備などより一層の整備を期待している。
学習者用端末の整備にも着手
今年度新規・拡充の取り組みは、特別支援教育におけるICT活用、ICTの新たな導入と活用の検討、校務ICT化推進、学校情報提供システムの導入、学校ホームページ公開支援、サーバセキュリティ対策強化、教室等ICT機器整備、ICT推進組織整備に向けた検討など。
ICTの新たな導入については、電子黒板や児童生徒用PCなどについて、モデル校などを選定して先行して導入するなどで効果を検証。その結果をもとに、計画的な導入を進めていく。また、学習の個人差に対応した個別学習や情報を共有しながら学ぶ協働学習でのICTの活用、小中一貫教育に関わる地域学校園内の情報交流の方法も同様に検討する。
各モデル校についてはワーキンググループで検討、早ければ来年度から実証研究が開始される。
【2012年10月8日】
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