【和食特集】

四季を感じながらおもてなしの心で―手づくり和菓子教室を開催 6月16日は「和菓子の日」

6月16日は「和菓子の日」だ。848年(承和15年・嘉祥元年)の夏に、仁明天皇が御神託に基づき、この日に16の数に因んだ菓子や餅などを神前に供えて疫病を除け健康招福を祈誓し「嘉祥」と改元した古例によると伝えられている。その後も豊臣秀吉や徳川幕府がこれを様々な形で引き継いできた。

「手づくり和菓子教室」
上から青梅、牡丹、清流

これを記念して、6月7日には、東京和菓子協会と東京製菓学校共催による「手づくり和菓子教室」が行われた。今年で17回目となるこのイベントは定員210名に対し1739名から応募が集まった。

実習の前には全国和菓子協会の藪(やぶ)光生専務理事より和菓子について講話が行われた。

和菓子にはあんこが使われているが、その材料である小豆は豊富なポリフェノールを含んでおり、カリウムも多い。こしあんを作るだけでも10工程ほどあり、薪・ガス・電気・蒸気など様々な炊き方がある。

また、和菓子には「菓銘」がついており、梅をモチーフにしたお菓子でも「東風(こち)」「菅公梅」など様々だ。和菓子の名前から文化を楽しむこともできるのだ。

藪専務理事は「四季がある日本ならではの季節感を和菓子で味わってほしい。また、和菓子もアイデア次第、缶の羊羹をお客様に出す際も端を切って四角にし、庭の葉をお皿に載せてその上に羊羹を置くとお皿の上で動きませんし、雰囲気が変わります。おもてなしの気持ちを大切にしてください」と話した。

実習では「牡丹」「清流」「青梅」を作り、和菓子作りを通じて一つひとつに込められた繊細な作業、手間、思いなどを感じ取った。

東京和菓子協会青年部会の飯田修一郎部長によると、最近では地元の小中学校から講演や教室を開催してほしいと要望もあるという。

 

【2014年6月16日号】

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