【対談】ハードとソフトの備え―下村博文 文部科学大臣×平野啓子氏

学校は災害時の重要な拠点・・平野
大臣:27年度の早期に耐震化完了

 平野 今後も災害が起こったら、地域の避難拠点として学校はとても重要になります。何より子どもたちの安全安心のために、学校の耐震化は最優先で進めて頂きたい事業です。

 大臣 学校の体育館などの施設は避難所にもなる所なので、できるだけ早く、しっかり対応しなければいけない。私は板橋が選挙区ですが、板橋は学校の耐震対策がまもなく事実上100%完成します。首都直下地震がいつあるかわからないなか、古屋圭司防災担当大臣と板橋の木造住宅密集地域である大谷口という場所に、災害対応や街づくりの実際を視察しました。また最寄りの区立中学校、そこは耐震対策は済んでいますが、防災教育の様子を見ました。

 平野 学校の耐震対策は、現在のところどのように進んでいるのでしょうか。

  大臣 文科省では現在、耐震対策については平成27年度のできるだけ早い時期に、建物本体の耐震化を完了させることを目標に、自治体の要望を踏まえ必要な耐震化予算を確保しています。25年度予算執行後は94%まで進む見込みです。

 平野それは是非、強力に進めて頂きたいですね。

  大臣 さらに天井等の落下事故防止対策も、建物本体の耐震化と同様に27年度までのすみやかな完了を目指すよう自治体に要請しております。このようにできるだけ早くきめ細かく対応していきたいと思います。

 

高まる防災教育の重要性:平野
大臣:教育の成果が現れる防災

 平野 学校建築の耐震化をハード面の施策とすると、ソフト面である防災教育も、その重要性がますます高まっていますね。

 大臣 「学校防災のための参考資料『生きる力』を育む防災教育の展開」を、すべての小中学校に配布しています。具体的な事例なども掲載して、学校で実践的な防災教育が展開されるように作成していますので、防災教育をしっかりやっていただきたい。今回の東日本大震災では、多くの子どもが犠牲になった地域、ほとんどが助かった地域と、地域差がありました。その差は、日頃から防災教育を行っていた、その成果が出たと思うのです。

  「災害は忘れた頃にやってくる」のではないのです。南海トラフ巨大地震や首都直下地震も、忘れた頃ではなく今日明日にあっても不思議はないのが、我が国の状況ですから。

  さらに地震津波だけでない、火山の噴火や異常気象による集中豪雨や竜巻などがいつあるか分からない中で、しっかりと防災教育を学校教育の中で位置付けて取り組んでいくことは大変重要なことだと思います。

【2013年8月19日号】

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