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連載 ICT支援員日記(4) 「主体的な学び」と「学びあい」を実現

岡山県早島町 担当

ICT支援員 福家美知代

早島町立早島小学校(岡山県)では、全国に先駆け、タブレットPCを6年生の児童全員に配布しています。ICT環境が充実した結果、教室移動の際には教科書やノートとともにPCを持ち運ぶ姿もあたりまえの光景になってきました。

ある日の外国語活動の授業「行ってみたい国を紹介しよう」では、先生が提示した国旗のフラッシュカードに合わせて子どもたちが発音することから始まりました。学習意欲が高まったところで、個別にタブレットPCで行きたい国について調べる、その後に調べた内容をまとめ簡単な英語のスピーチにして発表するという流れでした。

デジタル機器の活用で先生方が複数のツールを使い分けるのと同様に、子どもたちの学習活動も、多様化しているのを感じます。

最近では、わからないこと、もっと知りたいことがあったとき、特に指示がなくても、これは辞書で調べる、これはPCを取り出して調べる、見てみるなど、自分でツールを上手に使い分けて『主体的な学び』が展開されています。特に目で見る画像、音声、動きのあるコンテンツは子どもたちの興味関心を高め、「楽しかった」「もっと知りたい」という意欲を引き出すことにつながっているようです。

また意外なことに、PCを始めとするデジタル機器は、子ども同士をつなぐ『学びあい』の道具にもなりつつあります。グループで調べた内容を共有する際には、タブレットPCの画面をクルリとまわして、「こういうのはどうかな?」と自分が見つけて良いと思ったページを友だちに紹介したり、「いいこと思いついた!」とアイデアをかわしたりもしています。また、先生が提示したスクリーンの画面に子どもたちが書き込みをし、自分の意見を発表する、二つの考え方を比較するといった授業シーンの実現も容易になりました。

その様子を見ると、これこそが『学びあい』なのだと実感します。学校でのICT活用はPCに向き合うことではなく、効果的な提示や共有の仕組みにより子ども同士の『学びあい』の場面を作れることに大きな特長を感じます。

そして私たちICT支援員は、どの教科・どの単元でどんなコンテンツやリンク集があればいいのか、常にアンテナを張り、ICT機器を用いて、子どもたちの『主体的な学び』や『学びあい』へとつながる細やかなご提案、ご支援を行っていきたいと思います。

■ICT支援員日記

(1)先生が描く授業を実現する支援(2011年10月3日号)

(2)各校の事例から「好例」学び提案(2011年11月7日号)

(3)コンテンツ活用と授業の可能性(2011年12月5日号)

(4)主体的な学び」と「学びあい」を実現(2012年1月1日号)

(5)地域全体の教育力を向上(2012年2月6日号)

(最終回) ICT支援員の役割とは?(2012年3月5日号)

【2012年1月1日号】

 

 

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