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連載 ICT支援員日記 (最終回) ICT支援員の役割とは?

佐賀県 担当

ICT支援員リーダー 平山 由香里

佐賀県の先進的ICT利活用教育推進事業支援業務にかかわって約1年が経過しようとしています。振り返れば22名のICT支援員の採用から、約10日間の事前研修を実施して各校に配置し、個別にフォローしていくという慌ただしい1年間でした。

研修では地元大学と連携して、ICTを活用した授業設計、教材作成の基礎を学んだり、あるいは具体的なデジタル教材を用いて模擬授業やロールプレイングを繰り返したりしながら、支援員の育成を行ってきました。
その甲斐もあって、初期研修終了時には支援員から「学校にいくのが待ち遠しい、早く学校に行きたい」、「自分がどの程度役立つのか分からないけど、授業でICTを活用してもらえるように頑張りたい」という声が上がるようになりました。支援員によっては不安もあったと思いますが、それ以上に期待感やモチベーションを高く持ってもらえる状態を作り出せたのではないかと私自身の満足感もありました。

実際に学校訪問を始めた後は、実証研究校に配備されているタブレットPCやIWBの扱いに苦労しながらも皆が高い意欲を持って活動し、今ではそれらを活用した授業実践事例を毎月ひとり一事例出せるだけのスキルと授業ノウハウを持てるようになりました。

「あなた(支援員)がデジタル教材の活用提案と授業中に操作支援をしてくれて安心して活用できました。子どもたちのアンケートにも『授業の理解が深まった』と嬉しいメッセージが書かれていました」と支援員から報告を受けた時には自分のことのように嬉しく思いました。これは課題解決型の研修を継続的に実施し、支援員の成長をサポートしてきたことが大きな要因だと思います。

「ICT支援員の役割とは?」このことについて、私はずっと考えてきました。そして今では「学力向上を目指す有効な手段としてのICT利活用であり、それに結びつくサポートをすることこそがICT支援員の役割である」と明確に見えてきました。学校教育においてICTを利活用して学力向上を図るには、行政、民間、学校現場の連携が今後より一層重要になってくると感じています。今後、機器の整備や先生方の利活用状況に応じてICT支援員に求められる役割も当然変化していくと思いますが、引き続き、ICT利活用教育の発展・充実に向けて努力を続けていきたいと思います。(原稿協力:ベネッセコーポレーション)

■ICT支援員日記

(1)先生が描く授業を実現する支援(2011年10月3日号)

(2)各校の事例から「好例」学び提案(2011年11月7日号)

(3)コンテンツ活用と授業の可能性(2011年12月5日号)

(4)「主体的な学び」と「学びあい」を実現(2012年1月1日号)

(5)地域全体の教育力を向上(2012年2月6日号)

(最終回) ICT支援員の役割とは?(2012年3月5日号)

【2012年3月5日号】

 

 

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