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教育ICT

主体的・対話的な学び ポイントは「問いの設定」 滋賀県立虎姫高等学校・堀浩治教諭

2017年9月4日
第41回教育委員会対象セミナー・京都

教育委員会や学校の整備担当者を対象に実施している「教育委員会対象セミナー~ICT機器の整備と活用と管理・研修」が、8月8日京都で開催され、約100名の教育委員会や教職員が参集した。

「主体的に学ぶ力」を高校までに育む

滋賀県立虎姫高等学校・堀浩治教諭
滋賀県立虎姫高等学校・堀浩治教諭

虎姫高校では現在、18教室で電子黒板が日常的に使われている。

さらに昨年度から、滋賀県「学びの変革」推進プロジェクト事業によりタブレット端末も40台導入。平成29年度からは、パナソニック教育財団の研究校として助成を受けている。

堀教諭は電子黒板の効果として次の6点を挙げた。①視覚化(文字や図の移動、動画、思考の可視化)、②焦点化(画面への書き込み、拡大)、③反復(コピー、フラッシュ、繰り返し)、④リンク(ネット、情報へのリンク)、⑤時間のゆとり(授業速度を速め、得られる副産物)、⑥共有(データ、意見、考えの収集と提示)。

このうち、視覚化と焦点化は生徒の理解促進、反復とリンクは知識の定着、時間のゆとりと共有は活用につながると話す。

A・L成り立つ題材の条件とは

大学全入時代と言われて久しく、これまでよりも多くの生徒に、主体的に学ぶ力が求められている。小学校から高校までの段階で主体的に学ぶ力を育てる必要がある。

主体的・対話的で深い学びにつなげるために最も重要なことは、「問いの設定」である。
例えば「電池を作るにはどうすれば良いか」という漠然とした問いではなく、「実用性、継続可能性がある電池を作るには、どのような金属をどの極に用いると良いか」など、方向性と細分化を示すことで、生徒が自発的に深い学びへと入り込む。

アクティブ・ラーニングでは、課題の設定、計画、データ収集、分析、一時の結論という一連のサイクルがある。「このサイクルが生まれにくいテーマでは、アクティブ・ラーニングは成り立たない。『因果関係が明確』『多様性がある』『身近な経験』などが、アクティブ・ラーニングが成り立ちやすい題材の条件」だとする。

評価でICT活用

主体的・対話的で深い学びの実現に向けて、ICTはどのような役割を果たすのか。

例えば、観察しているだけでは見つけられないことを、動画で確認して新たな発見を促す。理科の実験などは一つの班で得られるデータに限りがある。そこで各班で得られたデータをタブレット端末で共有、情報の収集・蓄積につなげていくこともできる。

授業後の形成的評価でもICTが活用できる。

小単元が終わった段階で、リフレクションシート(振り返りシート)を作成し、形成的評価のためにポートフォリオを実施している。

また、学習内容のまとめ方を指導するために、リフレクションシートをスキャンしてPDF化している。タブレット端末上に保存することで、教員からの指導をデータに書き込み、電子黒板上で全生徒にフィードバックができるからだ。

の指導をデータに書き込み、電子黒板上で全生徒にフィードバックができるからだ。
「近年の社会情勢の変化から、さらなる教育力の向上が求められている。小学校、中学校、高校、そして大学が手を取り合って生徒を育てていきたい」と述べた。

【講師】滋賀県立虎姫高等学校・堀浩治教諭

 

【第41回教育委員会対象セミナー・京都:2017年8月8日

  1. 文部科学省情報教育課・松本眞課長補佐
  2. 同志社中学校・高等学校・反田任教諭
  3. 京都産業大学・大平睦美客員教授
  4. 京都教育大学附属桃山小学校・山川拓教諭
  5. 草津市立草津小学校・糠塚一彦校長
  6. 滋賀県立虎姫高等学校・堀浩治教諭
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