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教育ICT

【KKS WEB 特別対談】GIGAスクール構想における持続的な端末配備・活用。自ら学びとる環境をバージョンアップ

2022年12月19日

PR:株式会社大塚商会

GIGAスクール構想により1人1台の情報端末が配備され、3年目を終えようとしている。次の端末更新を迎える前に、活用の充実が求められているところだ。そのために必要なことは何か。2022年度までつくば市立みどりの学園義務教育学校(以下、みどりの学園)学校長として教育ICTをけん引してきた毛利靖氏(全国ICT教育首長協議会特別顧問)と仲西和彦部長(日本マイクロソフト マーケティング本部Commercial Windows戦略部)が対談した。

対談者プロフィール

毛利 靖氏
・全国ICT教育首長協議会特別顧問
・一般財団法人日本視聴覚教育協会 首席研究員
・総務省地域情報化アドバイザー
・デジタル庁デジタル推進委員
・2022年度までつくば市立みどりの学園 義務教育学校学校長
仲西 和彦氏
日本マイクロソフト株式会社
デバイスパートナーソリューション事業本部
マーケティング本部Commercial Windows戦略部長

 

端末活用の格差が広がる~その解決策を模索

――1人1端末活用で、素晴らしい取組がある一方で、遅れている自治体もあるようです。
毛利 靖氏(以下、毛利氏)

ある自治体で講演した際に「うちの地区では端末を箱から出していない学校もある」と聞いて衝撃を受けました。「端末活用を目的にしてはいけない」、「学習を目的にした活用を」というプレッシャーが強すぎると、教員も活用に臆病になります。正論ではありますが、使った経験が乏しい場合、導入当初に「端末活用を目的にする」時期があっても良く、「こんなこともできるようになって楽しい」という体験を最上位にしても良いと感じています。

同様に「学習」のイメージが狭すぎると、端末活用の良さや利便性を感じることが難しくなります。楽しさや便利さの体験も学びの入り口として認めること、これは、児童生徒はもちろん、教員も同様です。例えば体育でも家庭科でも、ケガをする等のリスクはありますが、リスクがあるから行わないということはない。安全に注意しながら道具を扱うことは重要な学びの1つです。

仲西 和彦氏(以下、仲西氏)

1人1台端末が今、どの程度利用されているか、クラウド事業者として、ある程度把握することができます。毎日利用している自治体、夏休みや連休中は使っていない自治体、配備後ほとんど電源がオンになっていないのでは、と思う自治体もあります。

今後は教員にパソコンの特性をいかした授業のすすめ方を工夫していただくこと。またそれを我々もお手伝いさせていただくことが大事になると考えています。

今はまだ単純に黒板に書いていた内容を電子スクリーンに切り替えるだけというケースも多いと聞いています。もちろん最初はそこから始めても良いのですが、さらに一歩進める支援をしたいと考え、MIEEMicrosoft Innovative Educator Expert)の協力を得て9月から「授業・校務活用素材ポータル」を公開しています。さまざまな教材や好事例が集まっており、会員登録等不要で利用することができます。

さまざまな教材や好事例が集まっており、会員登録等不要で利用することができます。

毛利氏

本校でも毎年、好事例集をまとめていました。

活用促進の秘訣は教員の利便性体験から

――端末活用が進んでいる自治体や学校はどのように始め、どのような活用をしているのでしょうか。
毛利氏

5年前の開校当初、情報端末は5人に1台程度で、コンピュータ室や端末の予約はいつも混み合っていました。当初、それらの利用簿は「紙」でした。それをICT推進委員が、Microsoft Teamsで管理できるようにし、皆で共有できるようにしたところ、「空きが出ればすぐにわかる」ようになり、稼働率がさらに高まりました。

仲西氏

校務で教員が利便性を体験できると、活用が進むと聞いています。
そのほか、みどりの学園で活用が進んだポイントはどのような点にありますか。

毛利氏

まず、ストレスなく活用できるネットワーク環境は前提です。1人1台端末が配備された際、みどりの学園では教育委員会に尽力してもらい、インターネットブレイクアウト回線を5本引くなどで約1600人が活用できるようにしました。無線環境の機器の台数や設置場所、設定も注意深く行いました。

次に、端末活用について禁止や強要をしてこなかったことでしょうか。教員はスマートフォンを授業に持ち込むことも可能です。ある教員はオンライン授業の際、教員用端末で配信し、自分のスマートフォンで子供とチャット等双方向のやりとりをし、もう1台の端末でどのように子供に見えているのかを確認するなど3種類の端末を使い分けていました。

こんな機能を使ってみたい、こんなツールを使ってみたいという教員や子供の声をフレキシブルに受け止めることで、教員もクリエイティブな授業ができるのです。

仲西氏

素晴らしいですね。端末で子供たちの表情を確認し、スマートフォン上のMicrosoft Teamsでやりとりすることは、オンライン授業では不足しがちな子供が出している言葉以外のさまざまな情報を、先生ができるだけ多くキャッチしようとする努力だと思います。

ビジネスでも、USB接続できるモバイルモニターで2つめのスクリーンを所持するニーズが高まっています。学校でも、情報端末の内容を、より大きな画面で見たいという際に役立つ仕組みです。設定がすべて反映されるので、同時操作もできます。我々からは、例えばこういった周辺機器の使い方なども提案できればいいのかなと思います。

毛利氏

算数のオンライン授業で、琵琶湖の面積を早く正確に求めるにはどうしたら良いか考えました。生徒と先生はオンラインで琵琶湖の形をモニターで共有し、生徒が意見を出し合うのです。

先生が教え込む授業ではなく、クラス全員で話し合うことで双方向型の授業が成立しています。クラス全員の意見もモニターに表示され、意見が出しやすい環境になっています。これまで双方向の授業ができていた教員は、ますます双方向性を増幅させる授業がやりやすくなったのです。

美術ではMicrosoft Teamsで、家にあるものでグラデーションを表現していました。学校のみではなかなかできない授業です。オンラインでも学校にいても、まるでここにいるような感覚で授業が進められます。

双方向ツールの可能性はとても大きいと感じています。SNSの特性なのか、教室で挙手することが苦手な子供も、Microsoft Teamsだと書き込んで発信するのです。通常のリアル授業の際にもオンラインで協働編集を行ったり、作品の写真等を見せ合ったりしています。

仲西氏

そのような授業を紙でやろうとすると、図を描いている間に1時間が過ぎ、意見を共有することでまた1時間が終わってしまいます。双方向性の機能を授業に取り入れることで、教員も子供も情報量が増えます。それが授業変革のポイントになりそうです。我々としてもそこは後押ししたいと思います。

先生方もお互いの授業を見せ合ったりしているのですか。

毛利氏

はい。お互いを褒め合い、良い点を膨らませる意識が大事だと思います。良いところを認め合うことは、子供にとっても教員にとっても重要で、これは同僚性を育むことにつながります。良いところ、できるところを伸ばすことで、できないことや苦手な部分は隠れていきます。

GIGAスクール構想対応PCの一例として、日本HPの「HP Pro x360 Fortis G9 Notebook PC」がある
※Windows 10 Pro Education(Windows 11 Pro Education からのダウングレード権を使って入手可能)

 

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