情報端末を使ってできることは多いものの、GIGAスクール構想で導入された端末のスペックではできないことがあります。みどりの学園では開校当初から第2コンピュータ室に3Dプリンターや大判プリンター、高性能PCを導入していました。
最近始まっているSTEMライブラリーに近い役割で、このような環境は、子供の学びを広げます。子供の動画制作能力は大人の想像を超えるものです。そんな創造性を実現できる、わくわくするような環境を提供していくことは、子供の「自ら学びとる力」の育成につながります。コンピュータ室のPCがなくなったから不要と考えるのではなく、子供たちがわくわくするような空間にしてあげると良いと思います。
コロナ禍で卒業式ができなかった際、全員が卒業式の歌をオンラインで録画し、それを全員で歌っているように編集したのですが、このようなことを実現するためには高性能端末とツールが必要です。
新しい環境に触れる機会の提供も積極的に支援していきたいと考えています。
各種プリンターやソフト等多くの機器やツールがWindowsに対応しています。Windows以外のOSを使っている学校でも、Windowsシステムを利用できる環境を用意することは重要になりそうです。
現在、全国ICT首長協議会の事務局で特別顧問をしています。本協議会は平成28年に文科省の後押しで、全国で先進的にICTを推進している首長が発起人になって始まり、当時から事務局をしております。コロナ禍で活動を休止していましたが、GIGA端末が入ったのに取組が進まない自治体が多くあり、支援していきたいという横尾俊彦会長(佐賀県多久市市長)の考えで、今年から再開しました。6月に総会を開催したところ多くの賛同があり、協議会の必要性を再確認でき、これまで以上に活動することになりました。
いまだ外に出られず情報を集められていない自治体も多く、8月からオンライン研修会を毎月行っています。文科省の安彦広斉審議官(初等中等教育局担当)、GIGAスクールを始めた当時の担当課長の髙谷浩樹会計課長、現在GIGAスクールを推進している武藤久慶学校デジタル化PTチームリーダーや先進的な自治体にご登壇頂いています。加盟自治体以外の方も参加できるようにしており、教育委員会の声掛けで参加している管理職も多くいます。
未知で未解決の課題を乗り越えていくためには、自ら課題を見つけ、世界中の仲間と協働して解決していく力が求められます。今後も、端末等を使って世界中とつながる学習が当たり前になるお手伝いをしていきたいと考えています。
対談の中でもふれさせていただきましたが、配置されたGIGA端末の活用と、そこから得られるデータを活用した教育改革のお手伝いをさせていただくことが、我々に期待されているミッションだと考えています。
まずは「道具」の使い方を体験していただく段階はこれまでで一通りご経験いただいたと思うので、これからは道具を活用することで、学びをどう変えられるのかを、日本マイクロソフトが企業や官庁など様々な組織でWindowsおよびMicrosoft 365をご活用いただいくことで蓄積してきた経験からお手伝いさせていただきたいと思います。
また今年の春から新しい生活を始められる先生、生徒さんも数多くいらっしゃると思います。新社会人として教員生活の歩みをスタートされる新任の先生をはじめ、教育期間を終え社会人になられる生徒さんもおられるでしょう。
こういう方々がWindowsやMicrosoft officeをこれまでの学習期間で活用されていた経験が、社会にでて即戦力として活用できるスキルとして身についていることが「よかった」と感じていただけたというお話も聞いています。こういった経験をより多くの学習者に広げていけるように「学習者の声」を広げる活動にも力を入れていきたいと思います。