新学習指導要領に、1人1台の情報端末活用などを始めとするICT環境整備の必要性が明記された。デジタル教科書・教材による効率的な一斉指導や個別学習、特別支援教育向けの活用や学習者用教科書による主体的な学びの実現、クラウド活用とビッグデータ分析による学習評価ツールとしての活用など様々な可能性が拡がっている。
指導者用デジタル教科書は国語、書写、社会、算数、理科、生活、音楽の全7教科を販売中。
学習者用デジタル本文データ(国語、社会、算数、理科)を付録として同梱。EPUB3方式で提供しており、Win版及びiOS版の学習者用端末で自分の見やすい表示に調整して使用できる。国語と社会ではリフロー表示ができ、文字の書体や大きさ、色、行間、背景色などを調整でき、特別支援にも対応している。
国語、社会(地理・歴史・公民)、数学、理科、音楽、英語を提供。
【国語】古文教材の傍訳や現代仮名遣いの表示/非表示、漢文教材の訓点や読み順などの表示/非表示を切り替えてクラスの実態に合わせた表示内容で指導できる。
【社会】導入動画を充実。解説動画により内容の理解を支援する。地図やグラフ、しくみ図などは要素ごとに段階的に表示して考えを深める。
【数学】アニメーションやシミュレーションなどで理解を深める。小学校で学習した内容など既習事項を項目別に振り返ることができる。
【理科】単元の冒頭に写真やイラストを収録して見通しを持ちやすくした。授業で行うことが困難な実験の動画も充実。
【音楽】MIDI音声の再生と連動して楽譜のどの部分が再生されているかがわかるようにした。パートごとに音をON/OFFしてパート練習もできる。伴奏のみの再生も可能。創作の活動「音のスケッチ」も収録。
【英語】生徒の興味・関心を喚起する導入動画を収録。発音練習動画コンテンツ、Your turn機能を装備。読み上げ音声の速度は3段階。補充問題の音声も聞くことができる。学年を越えた文法の振り返りや単元の枠を越えた単語学習によりクラスの実態に合わせた授業を展開しやすい。
小学算数「3ステップデジタルドリル」は、3つのステップで計算スキルの確実な定着を図る学習者用デジタル教材だ。
小学校6年間で学習する計算技能の習熟のために反復機能を工夫。すべての問題に「ふり返り」ボタンを設置して問題につまずいたら教科書の「学習のまとめ」ページの画像を表示。すぐにふり返ることができる。3ステップのうちいずれかが90点以上で「合格」判定となり、スタンプを獲得。90点未満の場合は「学習のまとめ」でふり返りながら同種の問題に再チャレンジ。解答後は自動採点、正答表示される。書いたり消したりできる手書き入力エリアがあり、タブレット上でも筆算や途中計算などができる。
教育家庭新聞 教育マルチメディア号 2018年6月4日号掲載