「現状に合わせた大会の運営」、「ホームページとアンケートシステムの構築による通信手段の情報化」等の改革を進めてきた(一社)全国高等学校PTA連合会(高P連)の牧田和樹会長。大切なのは「その時々に何がベストなのか、その選択をしていくこと」だと語る。今年で69回目の全国大会になる京都大会の開催に向けての期待や、会長3年目の抱負を聞いた。
「来年は全国大会70回目の節目を迎えるうえで、時代に合わせた大会運営にするために、全国大会開催ガイドラインを改めた。今年の全国大会は京都府・市P連の協力を得て、そのプレ運用的な位置づけになる。最も大きな変更は、無理に1会場1万人規模でなくてもよいとしたこと。それだけの規模の会場となると会場費だけでも莫大なうえに、地域によっては会場確保だけでも容易ではない。今回は同エリア内にある2会場での準分散型での試行だが、来年・島根大会は県内の離れた4会場での完全な分散型になる。通信技術の進展によって、ネット配信での同時開催が可能になった」
「今大会から、期間は1日目午後からの開催、2日目昼に閉会として、従来延べ1日半だったところを延べ1日に短縮。分科会はそれぞれのテーマ設定をより今日的な課題にフォーカスした内容に大きく変え、同時に6分科会へと凝縮した」
「高P連の加盟4000校から55%の回答、調査結果としてまとめられたことは一定の成果だったと思う。自民党のワーキンググループのヒヤリングでも説得力のある発表ができた。結果内容ついては概ね予想通りだったとみている」
「『人生の節目、将来を考える機会』、『大人になった自覚を促す』等の理由で、多くが成人式の意義を認めながらも、過半数の54%が、成人式の対象は20歳が良いと考え、18歳(26%)の2倍以上。さらに18歳とした場合の影響では、『受験時期と重なるので参加できない人が多くなる』(75%)、『家計の負担が増える』(48%)などマイナス面への心配が大半を占めた。ベースにあるのは18歳引き下げについての理不尽さで、それを抱えての回答であることが透けてみえる」
「AIの進展とビッグデータ活用やSociety5・0等、環境の変化とスピードは加速されている。新たなテクノロジーの時代に向かっている今日だが、これを使うのは人間だということを忘れてはならない。健全で前向きな思考ができる子供たちを育てなければならない。人格形成、人間教育は学校教育だけでは限界がある一方、家庭内での保護者との対話が益々重要な意味を持ってきた。その事に私たちは自覚を持たなければならないと思う」
「PTAの存在理由も時代と共に変わってきた。大事なことは、昔を懐かしむばかりではなく、節目のその時々に、何がベストなのかという選択をしていくこと。時代が変わればやり方も変えていかなければ生き残れない。変えるべきところは変え、時代に対応したPTAの在り方を議論していく時ではないか」
教育家庭新聞 健康・環境・体験学習号 2019年8月19日号掲載