特集:新たな学びを実現する〜自立・協働・創造的な学びへ

被災地で役立つロボットプログラミング教育 <杉並区立天沼小学校

「ネットワーク社会におけるメディアとヒューマンコミュニケーション」をテーマに11月18・19日、放送教育研究会全国大会及び視聴覚教育総合全国大会が都内で開催された。初日は、杉並区立天沼小学校、杉並区立高円寺中学校、板橋区立中台中学校、板橋区立向台保育園が授業及び保育を公開。全クラスで計20授業を公開した天沼小学校では、情報端末の1人1台活用やグループ活用、プログラミング教育、各教科のデジタル教科書・教材、NHK for Schoolなどを活用していた。主催は全国放送教育研究会連盟、NHK、視聴覚教育総合全国大会連絡協議会。

プログラミングやブロックカーを修正する
プログラミングやブロックカーを修正する
「Hour of Code」(右上)とレゴ(下)
「Hour of Code」(右上)とレゴ(下)

「1秒でどれくらい進むか試してみよう」、「センサーをつけてもう一度試してみる?」
児童は情報端末を手に、ブロックで作った救助車の動きに注視している。グループごとに、予想通りに救助車が動くかどうか、改善点はないかを検証。動きを確認し、情報端末上のブロックの位置を変えてプログラミングに修正を加えている。

プログラミング学習全8時間のうち7時間目の授業だ。授業の狙いは、「身の回りはPCで動いているものがたくさんある」「PCは人の命令即ちプログラミングで動いている」ことを理解し、トライ&エラーを通して問題を解決していく力を育むこと。

「人が入ることができない被災地で役に立つロボット作り」が課題だ。児童はグループごとにレゴブロックで救助車を作成。「救済する対象者を見つけてそれを報告、その後元の場所に戻る」プログラミングに挑戦する。

使用したのは、プログラミングソフト「Hour of Code」とプログラムロボット「We Do2・0」。

「Hour of Code」は、画面上のプログラミングブロックで簡単にプログラミングできるもの。「We Do2・0」は、組み立てたレゴブロックをプログラミングで動かすことができる。モーションセンサー(動きを感知)やチルトセンサー(傾斜を感知)もある。

「人に見立てたブロックを見つけたらモーションセンサーが起動、光の点滅や音で被災者に報らせて、その後元の場所に戻る」という内容でプログラミングをする。
さらに、それぞれが改善や工夫を加える。

「録音音声を流して救助車に乗るように促す」「人を見つけやすいように車がゆっくりと動くようにした」「警告音が大きくなりすぎないようにした」「予め決めた場所で止まるようにした」「見つけやすいように交互に赤とオレンジの点滅にした」などだ。

「助けるだけではなく、救助車には飲み物や食べ物を積むべきだと思う」と話す児童もおり、プログラミング学習を通して実社会へのつながりを感じている児童もいた。

福田晴一校長は「児童は、プログラミングのイメージをすぐに持てたようだ。信号機も踏切もプログラミングであり、それを人が操作していることを実感できる児童が増えるほど、ますます情報モラル教育の必要性と重要性を感じる」と語った。

 

【2016年12月5日】

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