教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化
7月5日、第31回教育委員会対象セミナーを東京で開催した。タブレットPC等ICT活用については千葉大学の藤川大祐教授、北区教育委員会の岡庭智憲指導主事、杉並区立天沼小学校の福田晴一校長、荒川区立ひぐらし小学校の山本洋校長が報告。校務の情報化については取手市教育委員会の横島信吾係長が報告した。
今年度のセミナー日程は教育家庭新聞Web(www.kknews.co.jp)へ
取手市教育委員会 横島信吾係長 |
横島氏は「校務支援システムは導入すれば終わりではなく、スムーズな運用までが大事。充実したサポートのメーカーを選んだ」と話す。
成績処理を始めとする校務の効率化を図ることで教員の負担が軽減し、生徒と向き合う時間が増える――その実現に向けて取手市では平成21年度から校務支援システムを導入。操作性、機能性、サポートの3点を考慮して選定を進め、5年間の契約で校務支援システム「EDUCOMマネージャーC4th」を導入、市庁舎内にサーバ室を設置して運用を開始した。
1年目は「連絡掲示板」「個人連絡」「書庫」「会議室」「配布文書機能」などグループウェアを導入。機能を限定して導入することで、予算額が低くなり予算が確保しやすくなるという。
成績処理システムを導入したのは2年目の平成22年度から。小学校、中学校各1校のモデル校に導入して成功事例を示し、23年度には市内全7中学校、平成25年度に小学校17校へと広げた。
最初の長期契約が終了した平成26年度以降は単年度契約とし、校務支援システムをクラウド化、庁舎内のサーバシステムをデータセンターに移動することでセキュリティをより強固なものとした。
「校務支援システムの導入により確実に校務の負担は軽減された」と横島氏は語る。名簿情報を修正すると、自動的に出席簿や成績処理に反映され、それぞれを修正する手間がなくなった。
教育委員会から学校への連絡も文書連絡機能を活用。FAXを使う回数が減り、紙の使用量が削減した。国・県・市からの通知も学校に迅速に送ることができ、アンケートなどの集計も楽になった。
校務支援システムについて、教員にアンケートを実施したところ半数の教員が導入後は負担が軽減したと回答。最も大きな効果は「インクや紙の削減」、次いで「データの共有」だ。システム導入後に負担が軽減された校務は「成績処理(通知表の作成を含む)」が圧倒的に多い。
「校務支援システムは学校に必要なプラットフォーム。初めてシステムを利用する人は難しく感じるかもしれないが、使っているうちに様々な活用のアイデアが浮かび、時間とともに負担感も少なくなる」と語る。
【講師】取手市教育委員会学校給食課管理係・横島信吾係長
【第31回教育委員会対象セミナー・東京:2016年7月5日】
【2016年8月1日】
1、千葉大学教育学部副学部長・藤川大祐教授/2、東京都教育庁 総務部情報化推進担当・吉井英司課長
3、取手市教育委員会学校給食課管理係・横島信吾係長/4、北区教育委員会・岡庭智憲指導主事
5、杉並区立天沼小学校・福田晴一校長/6、荒川区立ひぐらし小学校・山本洋校長
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