教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育委員会や学校の整備担当者を対象にした教育委員会対象セミナーが12月7日、東京都内で開催された。主催は教育家庭新聞社。今回で第27回となる本セミナーは、総合教育会議の影響か、首都圏を中心に全国の教育委員会からこれまで以上に多彩な部署の参加があった。2月は名古屋、3月は岡山で開催する。詳細日程は教育家庭新聞Webへ
詳細=www.kknews.co.jp/semireport

アクティブ・ラーニングはジグソー法で深める 埼玉県立川越初雁高等学校・岡本敏明教諭

埼玉県立川越初雁高等学校・岡本敏明教諭
埼玉県立
川越初雁高等学校
岡本敏明教諭

クラウド活用で学びの過程を視覚化

川越初雁高校の岡本敏明教諭は、異なる専門知識を持つ者同士が話し合うことで解を導き出す「ジグソー法」を用いた協調学習を行うことでアクティブ・ラーニングにつなげている。「ジグソー法」は、ある課題について、いくつかの要素・課題を詳しく学んで「専門家」になるエキスパート活動、エキスパート同士で自分が持つ知識を伝え合い、全体課題についての解を探るジグソー活動、各グループで話し合った結果から、その違いについて理解を深め合うクロストーク活動で構成される。

岡本教諭は、教科「情報」で、「並べ替えのアルゴリズム」を課題にジグソー法を展開した。全体課題は、上皿天Qを使って複数の重りを重い順に並べる方法と、それぞれの特性について。

並べ変えるには、単純だが時間がかかる「バブルソート」と、複雑だが早く答えを出せる「クイックソート」があり、生徒はそのどちらかについて、Youtubeの動画を見て学習。「バブルソート」「クイックソート」それぞれの方法を相手に伝え合った。授業前、漠然とした答えしか書けなかった生徒が、ジグソー学習の後には「クイックソートは測る回数がバブルソートに比べて少ない」「バブルソートは誰が測っても測る回数が同じ」など、自分の言葉で考えを伝えるようになった。

「アクティブ・ラーニングを行う際、パターンが決まっていると、教員同士が共通理解を持てるので成果を共有しやすく、授業デザインを見直しやすい」と話す。この「ジグソー法」を用いたアクティブ・ラーニングを支えているのが同校のICT環境だ。埼玉県教育委員会では平成25年から、クラウド型教育支援サービス「Google Apps for Education」を活用している。これにより学びの過程が視覚化され、生徒がどの時点で気づき、いつ意見が変わったかなども一目で分かるようになった。生徒も他のグループが書き込んだ内容を見て、自らの間違いに気づくこともある。理解するまで何度もYoutubeの動画で確認できる点もメリットだ。

「みんなで知恵を出し合って協力することで答えを出すという体験を演出するのが協調学習。『ジグソー法』では、どんな生徒でも、どんな学校でも『学び』を深めることができる」と語った。(講師=埼玉県立川越初雁高等学校・岡本敏明教諭)

【第26回教育委員会対象セミナー・東京:2015年12月7日】

【2016年1月1日】

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