教育委員会対象セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化

教育委員会や学校の整備担当者を対象にした教育委員会対象セミナーが12月7日、東京都内で開催された。主催は教育家庭新聞社。今回で第27回となる本セミナーは、総合教育会議の影響か、首都圏を中心に全国の教育委員会からこれまで以上に多彩な部署の参加があった。2月は名古屋、3月は岡山で開催する。詳細日程は教育家庭新聞Webへ
詳細=www.kknews.co.jp/semireport

緊急時に文字放送 電子掲示板で発信 横浜市立上白根小学校・横山美明校長

横浜市立上白根小学校・横山美明校長
横浜市立上白根小学校横山美明校長

リモコンとデジタルTVで教材提示

横浜市立上白根小学校では、普通教室に設置されているデジタルTVを活用する仕組み「みらいスクールステーション」(富士ソフト)の活用が今年5月から始まっている。これは、すべての教室で、教材や映像など校内の教材サーバにあるコンテンツを、リモコンを使って手軽に大画面テレビに映し出すことができる仕組みだ。

横山校長は、以前からVOD(※)システムに興味をもち、独自で校内にVOD環境を構築していたこともあることから、本仕組みの導入を実現した。(※)VOD(=Video On Demand)観たい時に様々な映像コンテンツを視聴できる仕組み。
同校での「みらいスクールステーション」の活用率は既に高い。教員に実施したアンケートでは、すべての教員が「ほぼ毎日利用している」と回答。教室からリモコン操作をしてもサーバのデータを消去する恐れがないので、児童も安心して操作できる。

最も活用されている機能はサーバ内のデータを教室の大型テレビの画面に映し出す「教材コンテンツ視聴機能」で、音楽、体育、国語などの各教科で活用されている。中でも最も活用頻度が高いのが「朝の会」や「帰りの会」だ。「児童は朝や帰りの会で『今月の歌』を歌っている。音楽の教員がオリジナルのカラオケ映像を作ってサーバに保存しており、子供たちの歌声が毎日のように学校にあふれている」と語る。児童が積極的に歌を楽しむ姿に、音楽の教員は教材作りに、より積極的になったという。

電子掲示板の機能も活用。職員室から教室に情報を発信できるので災害発生時や不審者が学校に侵入した時など、いち早く全ての教室に避難情報や警戒情報を発信できる。

各クラスの欠席者の人数を迅速に知りたい場合は「担任は欠席者をお知らせください」と、報告を促す文字放送を流すこともできる。横山校長は「音声で流すことが難しいタイミングや内容であっても、文字放送なら活用しやすい」と語る。

昨年12月に公表された「第2期 横浜市教育振興計画」では、無線LAN等を用いたネットワーク環境の構築とタブレット端末の学校への整備が謳われており、今年度から段階的にタブレット端末や無線LANの導入が横浜市でも進められている。

上白根小にも今後、無線LANやタブレット端末の導入が考えられることから、今後はタブレット端末と「みらいスクールステーション」を連携させた授業の展開を考えていると語った。(講師=横浜市立上白根小学校・横山美明校長)

【第26回教育委員会対象セミナー・東京:2015年12月7日】

【2016年1月1日】

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