第12回教育委員会対象セミナー仙台 タブレット端末・電子黒板・校務の情報化
今回のセミナーでは、初の試みとして稲垣氏がコーディネータとなって参加者とのセッションも行われた。参加した教育委員会からは以下のような悩みや課題、現状などが報告された。
■3月末、iPadを40台導入したものの、それほど活用が進んでいない。原因は、機器は入ったものの購入手段が制限されておりアプリがないこと、一元管理できずiPadを個別に管理しなければならないなどの使い勝手の悪さ。特別支援教育に関しては無料アプリに限りダウンロードがOKになったことから、活用が始まりつつある。
■PC室の更新時を区切りとして3年以内にタブレット端末の整備を予定。タブレット端末は、導入済みソフトとの互換性からWindowsを予定している。
■小中学校に電子黒板やタブレット端末を整備し、無線LANを強化。従来の授業の一部をICT化するという方法から始めているが、ICT活用により教師力の有無があからさまになってしまう面がある。
■本市の当面の課題は校務の情報化とタブレット端末の導入に向けた予算の確保と市の情報管理指針。市の情報管理指針が厳しく、学校現状に合わず苦慮している。
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これらの報告を受け、稲垣氏は、「黒板から教卓の環境は大きく変わり、活用方法もある程度安定してきているが、子どもたち側の変化はこれから。タブレット端末活用は今後避けては通れない課題。ソフトウェアに関しては委員会に申請して購入している市もある」と述べ、稲垣氏が中心になって開発した「情報活用」を助ける無料Web教材「つくつた」(=あつめてまとめる・つくってつたえる/http://www.ina-lab.net/special/tsukutsuta/)も紹介した。
藤村氏は、どのOSが良いのか、端末の大きさはどれ位が適当かなど、現状において決定的な結論はなく、検証しながら進めていくしかないとコメント。また、市の情報管理指針については「切り抜け方はいくつかある。改定は難しいが、首長部局と教育委員会において指針を同一とすることは現実的ではないことを説明し、教委ポリシーを別途定めた例もある」。予算確保については、「学校の情報化は防災機能の強化につながり、市民サービスにも資することから防災関連予算で整備することも考えられる」とコメントした。
【2013年9月2日】
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