第12回教育委員会対象セミナー仙台 タブレット端末・電子黒板・校務の情報化

教員用Android端末をデジタルTVを連携する―岩沼市立岩沼小学校 加藤琢也教諭

教育委員会対象セミナー
岩沼市立岩沼小学校
加藤琢也教諭

 岩沼市では教師用タブレット端末(Android)を市内全小学校4校に導入し、普通教室で活用している。加藤教諭は市教委の要請を受け、学校での活用状況を報告した。

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整備見直しで予算を確保 連携アプリを共同で開発

  同校には全教室に50インチのデジタルTVが配備されているが活用は進んでおらず、タブレット端末の導入を機にHDMIケーブルと接続して提示機器として活用を開始した。さらに宮城教育大学とAndroid向けの電子黒板アプリ「iTouch(イタッチ)」を共同開発。「iTouch」には資料やノート等を端末カメラで撮影した画像・ノート等への書き込み及び消去、撮影画像保存・拡大・TV画面提示・サムネイル化などの機能があり、これによりデジタルTVの電子黒板活用がスムーズになったという。同アプリは本年1月、日本産業技術教育学会「第7回技術教育創造の世界発明・工夫作品コンテスト」プログラム部門で学会長賞を受賞しており、現在ダウンロード数は5000超、その半数以上は海外で利用されているという。

  「iTouch」と端末によって大画面で情報共有しやすくなり、映像や資料により学習意欲を高めるとともに、指示を明確にできるなど「電子黒板のメリット」を享受できる環境になったという。加藤教諭は「TVと端末の連携は安価であり、バッテリーも長く持ち、起動も早い。データのコピーや移動も簡単でカメラ機能や多様なアプリも使うことができる」とそのメリットを述べる。映像転送も無線化できればHDMI接続なしで教室内移動も簡単になることから、さらにメリットが大きいと考えている。

  Android端末の使い勝手については、「名簿作成などが難しいため、校務に活用しづらい。そのため結果的に重要なデータは入っておらず、授業に特化した使い方になり、かえって安全」であるという。

  タブレット端末等新しい機器導入の費用確保について岩沼市では「情報主任者会」により、PC室リース更新時に使用頻度の低いソフトや機器の見直しを図った。今回更新を見送ったのは、児童向けオフィスソフトや百科事典、高機能な画像編集ソフトなど。要望が高かったのはデジタルカメラ、実物投影機、無線LAN環境などで、これによりカメラ機能が使えるタブレット端末と体育館も含めた無線LAN化など時代の変化に対応した機器の導入を図った。

  市内4小学校では現在算数、体育、特別支援教室ほかで様々な活用が進んでおり、職員アンケートでも「週に3日以上使う」教員が最も多く、「簡単に使うことができICT活用の効果を実感できる」と好評だ。

  活用方法については、輪番で1人1事例ずつ毎月公表。さらに失敗例も含めた活用実践事例集を作成中である。

【2013年9月2日】

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