沖縄県立森川特別支援学校

障害に応じたアプリ開発

 沖縄県には全16校(児童生徒数全1986名・教職員1259名)の特別支援学校があり、平成22年度から2年間かけ、特別支援学校教育情報化推進事業として総事業費約1億円をかけ、在籍する児童生徒3人に1台程度の割合でiPad300台、iPod touch300台、計600台を整備。テレビ会議システムや無線LAN環境、SNSシステム、専用コミュニケーション機器ほかを整備した。

  その結果、デジタル化された教材を拡大できることから肢体不自由者の情報閲覧が手軽になる、音声読み上げや表示拡大の機能は弱視者支援につながる、ナビゲーションソフトの活用で場所の移動や思考支援など自律行動が可能になり社会参加につながる、テレビ会議システムの活用で分教室と本校の学習が可能になり教室の授業も双方向でできる、病院や自宅でも学習できるなど、様々な効果があったと報告した。

  23年度には障害に応じたアプリも開発。視覚障害には音声認識による入力や音声ガイドを使えるようにし、聴覚障害には音声認識や手書き入力を活用したコミュニケーションができるようにした。知的障害には、判断や思考を助ける道具として、肢体不自由児や病弱には、体が動かせる範囲で操作でき、誤動作しにくいようにした。

  現在アップされているアプリは、iPadだけで教材を作成できる「iWarkNote」、視覚障害者が使いやすいデータ検索アプリ「My辞典+」ほか。目の開閉で操作できるアプリ「eyeTalk」も開発中だという。その他のアプリはAppleStoreから「KUNIKEN SYSTEM」で検索できる。


 

 

【2012年7月2日号】

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