6月7〜9日東京で開催された「NewEducationExpo2012」セミナーの「基礎的学習活動を支えるICT活用〜特別支援教育・通級指導教室・通常学級の事例から」でコーディネータを務めたのは東京大学 先端科学技術研究センター教授の中邑賢龍氏。当日は、沖縄県立森川特別支援学校と島根県・安来市立赤江小学校のiPadを活用した事例が発表された。
中邑氏はかねてより特別支援教育を支援するICT活用について研究や実践を重ねており、その経緯から「『できないことを克服する』ことへの注力から、『ICTを使いこなすことで、それらの困難を克服し、さらにその子の持つ力を引き出す』と言うモデルを積極的に考えていくべき。それには、教育関係者の考え方を劇的にシフトしていかなければならない」と話す。
「読み書きができない、コミュニケーションがとれないなど様々な発達障害は、身の回りのテクノロジーを活用して克服していけば良い。『どんなにがんばってもできないことがある』のが障害者であり、教育には限界がある。にもかかわらず、どんな場合にも『頑張ってできるようになろう』が教育の目的になっていることが疑問。何の方法も使わずに『できるようになる』ことを目的にする現状は変えていきたい」と、特別支援教育の在り方について提案する。
【2012年7月2日号】
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