学校図書館の運営に関わる「人」にはいくつかの職種が存在します。その中で最も知られているのが「学校司書」ではないでしょうか。本の管理や貸し出しを行うだけでなく、児童生徒に本の楽しさを経験させていく、いわゆる「図書館の先生」として、地域差はありますが多くの学校で活躍してきました。
しかし、総合的な学習の時間の導入に伴って調べ学習が注目されたり、学校現場における情報教育の必要性が語られるようになった頃から、学校図書館には学習活動との結びつきをさらに強くしていくことが求められるようになりました。そこで脚光を浴びたのが、実際に学習指導を行うことのできる「司書教諭」です。2004年度からは12学級以上の全ての学校に配置されることが定められており、各地から教育的効果も報告されています。
このような背景を考えると、学校司書と司書教諭は基本的なところから役割が異なると考えられます。ただし整備途上にある現状においては「こうでなければならない」というのではなく、地域、学校の実情に合わせた形で活動を進めることが重要になるのは言うまでもありません。いずれにしても、両者がお互いの持つ専門性を十分意識しながら運営に当たることが、学校図書館のさらなる充実には欠かせない要素であると考えられます。
【2012年5月21日号】