好奇心を刺激する |
2015年から全ての公立校の子ども達に1人1台電子端末が配布される予定だが、今後はあらゆる問題を考慮した上で、それらに対応できる運用システムを構築していく必要がある。本校では6月から5年生のクラス各班4人にiPadを1台ずつ持たせ授業で活用させているが、子ども達は授業の中で何の抵抗もなく最新デジタル書籍を活用し、生き生きと学んでいる。デジタル教科書を、子ども達の表現力や創造力を強化するためのツールとして捉え、総合的な学習や各教科指導の中で活用してきている。現在、図工科の授業で「日本の未来」をテーマに絵を描かせているが、宇宙エレベータや宇宙旅行・月面基地等、子ども達の想像力には正直驚かされる。
今回はiPadをアイデアデータベース=創造支援ツールとして、図画作業と平行して活用させた。iPadは常時無線ネット環境にあるため、図工室で、子ども達は自分の絵に必要なアイデアを、絵を描きながら必要に応じて手元のiPadで探し、都度絵にアイデアを反映させていくことで、さらに個性的な作品に仕上げていった。この様な創造支援ツールとしての使い方は、普通教室で行いたい活動だ。パソコン教室では難しいだろう。
半年間iPadを活用してきた子ども達の生の感想としては次のものがあった。
・こんなに薄くてすばらしい物を作るなんてアメリカ人はすごい。・もっと僕たちが読める本を入れてほしい。・国語や社会の教科書をiPadの中に入れてほしい。・自作ドラマ劇をつくり編集したい。・漢字の書き順ソフトと算数の筆算確認ソフトがほしい。・体育の授業で、跳び箱の正しい飛び方などをiPadでも見たい。
アメリカ人はすごいという感想を持った子は、自宅でもネット経由で米国のアニメや音楽に常時触れている児童であり、アメリカ文化をもろに吸収している。グローバル化にさらされている今の日本の子どもたちは、近い将来、世界標準という土俵で闘うグローバルコンテンツを創造していくのかもしれない。「次は僕がアメリカ人以上の物をつくってやろう!」という骨のある子が全国から出てくるはずだ。そのためにも、デジタル教科書を、子どもたちの表現力や創造力を強化するためのツールとして活用していく必要がある。
文科省が2015年から世界標準になり得る電子端末・デジタル教科書を全国の子ども達に配布する可能性も、将来日本人がグローバルコンテンツを創造するための良いきっかけになるかもしれない。これをきっかけにイチローや中田の様なスーパープログラマーやスーパークリエイターが世界に羽ばたくかもしれない。
(1) まずは視感に訴える
(2) iPadの教育実践
(3) 小学校英語の教育実践
(4) デジタル版「英語ノート」
(5) デジタル教科書 iPadの教育実践
(6)「伝えたい」情熱が情報発信力を育む
【2010年9月4日号】