iPadを4人に1台配布した |
娘の学校のPTA会議で、ある高学年の保護者の悩みに驚かされた。
「うちの子が毎晩サイバースペース上で何人かの友だちと待ち合わせて、戦闘ゲームで遊ぶのです」という。
この子たちは、デジタル教科書など当たり前の様に受け入れるだろう。結局、デジタル教科書を子どもに持たせるということは、「大人(教師と親)がどれだけの責任と強い意志を持って使わせることができるか」にかかると感じている。
6月から5年生のクラス各班4人にiPadを1台ずつ持たせ授業で活用させてきている。朝の読書から調べ学習活用まで、iPadで何が起こるか・何が可能なのか、教育現場での次世代端末のあり方・日本版端末の今後のあるべき姿について情報発信していきたい。
iPadは、10年後の次世代デジタル社会を予測した上で(子どもや高齢者向けにも)、綿密に研究開発された電子書籍端末だけに、決して侮ることはできない。
10時間の長時間バッテリー、直感的操作で本の文字を拡大し読み上げたりするユニバーサルなデザインや、基本機能の柱として過激な動画や写真に規制をかける9+やPG13といったフィルタリングソフトが機能的に内蔵されている。
しかし、日本の教育現場に特化した物ではないため、改良の余地は多々ある。
例えばiPadは、ハード的には繊細なお皿の様で学校教室の机から落とすと直ぐに画面が割れてしまう。
また、内蔵カメラがないため観察記録やTV会議ができない点、ソフト的にはPDF書籍を含む日本語にルビがふられていない点、日本の教科書会社がアップルストアに参入していない点等があげられる。
クラスの子どもたちがiPadを初めて使った時の反応は大人よりクールで、「僕らのDSより格好いいじゃん!」程度のものだったので、筆者としては肩すかしを食わされた。授業では、総合的な学習の中で国際理解教育(国際協力ODA)をテーマにiPadを活用し始めている。
先日はiPadの無料ソフト「アイ・ウィットネス(英ガーディアン社)」を活用しフォトランゲージ指導法で、世界の子どもの写真を数枚見せ、クラス全員で様々な意見を出し合った。
実は子どもたちは何の抵抗もなくサクサクと最新デジタル書籍を活用し、生き生きと学んでいる。我々大人が思う以上に、日本の子どもたちは次世代デジタル社会に順応していくのかもしれない。
(1) まずは視感に訴える
(2) iPadの教育実践
(3) 小学校英語の教育実践
(4) デジタル版「英語ノート」
(5)デジタル教科書 iPadの教育実践
(6)「伝えたい」情熱が情報発信力を育む
【2010年7月3日号】