子どもたちの視線を釘付けに |
昔、PCは「ソフトがなければただの箱」と言われていたが、電子黒板も同様でハードだけでは何もできない。優良なハードとソフトがあって初めてその威力が発揮される。幸いにも今の電子黒板はとても使いやすくなっており、初心者の先生方でも非常に使いやすく、必要な画面を拡大したり赤ペンで手書きしたり保存することが直感的にできる。あとは、良い学習支援ソフトとその使い方を習得すればいい。
一例としてBCNアワードも獲得した「がくげい」社の算数ソフトは、現場教員のノウハウが詰まっており、指導書レベルの細かい配慮がなされている。実際、このソフトを使い始めた電子黒板での算数の授業に、子ども達は日々釘付けであった。動画での図形説明などは、従来のチョーク・黒板では太刀打ちできない。また電子黒板を活用したソフトは、授業の導入やまとめに各5〜10分ほど使うことが最も効果があるように感じている。10分以上電子黒板の画面を見せると、多くの子どもたちの集中力が切れてくるからである。ワークシートに書き込みをさせるなど既存の指導方法と電子黒板の利点をうまく使いこなすことが必要である。
来年度から小学校での外国語活動が5・6年生で必修となり、現在移行期でその授業づくりが課題となっている。今回から電子黒板を活用するための英語活動の教材研究について3回にわたり報告する。
まず、視覚に訴える教材(写真や絵)を授業で使うことは、魅力のある授業作りにおいて非常に重要なポイントとなる。視覚情報から学習者の脳が刺激され、その学習テーマの情報が大きく広がり学習に対するモチベーションが高まるからである。GoogleやYahoo!の画像検索はまさに教材の宝庫で、電子黒板上で写真を拡大してそのまま授業に使うことができるため、筆者は大変重宝している。例えば、あらかじめスポーツ選手等の写真の顔の部分にマーカーを入れ分かりにくくし保存しておく(多忙ならアナログ的にうちわで隠しても良い)。そして電子黒板上で写真を見せ、教師がその人になりきって次のように質問する。 "Who am I? I am from Aichi! I love curry& rice very much! I livein Seattle now!"といった具合である。
多くのイチロー好きな子どもは、ここから英語の世界にのめり込んでいく。たった写真1枚で、子どもの授業への食いつき方が全く違うことは、良き指導者なら体得しているはずである。
著作権法第35条で、営利を伴わない公の学校教育の授業において、キャラクター等の著作権の使用が認められていることも知っておきたい。
次回は文科省配布済「英語ノート用PCソフト」の活用方法について報告する。
(1) まずは視感に訴える
(2) iPadの教育実践
(3) 小学校英語の教育実践
(4) デジタル版「英語ノート」
(5)デジタル教科書 iPadの教育実践
(6)「伝えたい」情熱が情報発信力を育む
【2010年6月5日号】