私立公立高等学校IT活用セミナー・東京 ICT機器の整備計画/校務の情報化
桜丘中学・高等学校 本田和義教諭 |
東京北区滝野川にある桜丘中学・高等学校では、今年度から全生徒、全職員がiPadを所持。生徒は自費で購入して全生徒約1200名が活用している。本田教諭は、「個人所有にすることによって愛着がわき、大事に扱っている」と報告する。
授業やLHR 保護者会で活用
iPadを使った授業では授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」も活用。
生徒は出された課題に解答し、カメラで写して教員に提出。教員はその中からいくつかを選んでプロジェクターに投写しながら解説し、その場でチェックをして授業を展開する。
撮影した課題のテキストやプリントは、iPad上でPDFに書き込む生徒もいれば、紙プリントに写す生徒もおり、生徒それぞれが工夫して授業に参加している。
授業の板書やプロジェクターで投写されたものをiPadのカメラで撮影する光景も日常的なものになっている。
iPadを使ったグループ学習やペア学習では、自然と生徒同士の会話も弾み、教え合いにつながっている。「グループ学習、ペア学習など、双方向的な授業ができてきた」と、本田教諭は語る。
授業以外での利用も進んでいる。
ロングホームルームでは、進路指導資料などをプロジェクターに投写しながら行う。また、保護者会では、日頃の生徒の様子を動画や画像などを見せることで喜ばれている。
クラブ活動でも活用
野球部ではiPadでバッティングフォームの動画を撮り、それをもとに指導をしている。
iPadで出欠確認
学校の入試説明会では、バーコードリーダーで受付管理。チェックインの人数確認や個別相談のスケジュールを管理している。入学試験の際にも、受験生の出欠確認、教室での問題配布のタイミング合わせなどが一元管理できるようになった。
活用促進のポイントとして本田教諭は「導入にあたり、教職員に対して、iPadの利用を強制はしなかった。教員は、最初は板書がわりにiPadを使ってプロジェクターに投写することから始まり、徐々に利用方法を深めていった」と語る。
教職員研修の充実も図っている。
年に1回の教職員研修、職員会議での実践報告によって、教員のスキルを教員同士で共有している。
創造性を後押し
「iPadを導入したから急激に学校が変わるわけではなく、iPadだけで勉強しているわけでもない。iPadはあくまで『ツール』のひとつで、机の上には、今までも使っていた辞書やノート、紙の資料集を置いて勉強している。例えば学習ノートは最強のツールだがiPadは同じぐらい最強であると感じている。教員にとっても生徒にとっても創造力を後押しする力を持つ」と述べた。
ICTの利活用を促進するポイントについては「『生徒にも頼る』こと。生徒は我々の使い方をはるかに超えている。頼ることによって相互に変革できるのでは」と話した。
【講師】桜丘中学・高等学校 次世代教育推進課 本田和義教諭
【私立公立高等学校IT活用セミナー・東京:2016年7月25日】
【2016年9月5日】
1、神奈川県立横須賀大津高等学校・島武彦総括教諭/2、桜丘中学・高等学校 本田和義教諭
3、姫路市教育委員会・柳井克文係長/4、東京都立町田高等学校・小原格指導教諭
5、和光中学高等学校・小池則行教諭
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