教育委員会対象セミナー・京都 ICT機器の整備計画/校務の情報化

私立公立高等学校IT活用セミナーを7月25日東京で、第32回教育委員会対象セミナーを7月28日に京都を開催した。教育におけるICT機器の整備と活用促進に向けて、整備計画や好事例となる発表がされた。次回は10月28日に第34回教育委員会対象セミナーを新梅田研修センターで開催する。
今年度のセミナー日程は教育家庭新聞Web(www.kknews.co.jp)へ

白熱教室を参考に読みを深める活動 立命館守山中学・高等学校 犬飼龍馬教諭 

YouTube動画とタブレットを活用

立命館守山中学 高等学校・犬飼龍馬教諭
立命館守山中学
・高等学校
犬飼龍馬教諭

立命館グループの目標は「多様な人々と協働しながら解のない問題を解決しようとする人間の育成」だ。

「回転授業」で討論力育む

国語科「言語活動」でディスカッションを取り上げる際に犬飼教諭が参考にしたのが、マイケル・サンデル氏の「白熱教室」だ。「どんな力をつければディスカッションできるのか?本を一日中読んでいるだけで身に付く力ではないはず」と考え、「読み深めカード」と呼ぶ「教具」を平成22年に開発した。

これは、深い読みをするときに注目すべき「読み」の観点をカード化したもの。観点は「言語・行動・表情・天候・景色(情景)」などで、これを使って予習して授業に臨み、深い読みについてディスカッションすることとした。

生徒は夜中まで予習しており、読み取りのポイントが分かるとディスカッションにも積極的になり、授業中の挙手率がアップ。授業では、深い読み取り・討論を行う。

さらに特徴的なのが「回転学習」で、段落ごとに各クラスの代表生徒が一同に介して「振り返り」のディスカッションを行う。それをYouTubeにアップ。他の生徒はその動画を見てテスト勉強を行うというものだ。

代表生徒は固定しておらず、YouTubeに公開されることもあり、代表に選出されることがステイタスにもなっている。テストは300〜400文字程度の論述で、根拠を論理立てて整理できていればOKという内容だ。

1人1台iPad

平成26年の新入生から1人1台でiPadの活用をスタート。国語科では「読み深めカード」を授業支援ツール「ロイロノート」上で活用してデジタル化。生徒は何について討論しているのかが分かりやすくなった。
iPad導入はトップダウンであったこともあり、全校活用の推進には困難もあった。

そこで、毎日の実践をまとめた新聞を作成して教師で回覧。授業の写真や動画も撮影して授業アイデアを発信した。

学年通信も動画で配信するなどして認知を継続的に行うことで、その年の研究発表会では一体感を持ちながら研究発表ができたと語った。

【講師】立命館守山中学・高等学校 犬飼龍馬教諭 

 

【第32回教育委員会対象セミナー・京都:2016年7月28日

【2016年9月5日】

1、京都教育大学・谷口和成准教授2、郡山市教育委員会・渡辺哲雄指導主事
3、姫路市教育委員会・柳井克文係長/4、立命館守山中学・高等学校 犬飼龍馬教諭
5、京都市立梅小路小学校・吉井優太郎教諭 6、奈良女子大学附属中等教育学校・二田貴広教諭

 

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