教育委員会対象セミナー・京都 ICT機器の整備計画/校務の情報化
私立公立高等学校IT活用セミナーを7月25日東京で、第32回教育委員会対象セミナーを7月28日に京都を開催した。教育におけるICT機器の整備と活用促進に向けて、整備計画や好事例となる発表がされた。次回は10月28日に第34回教育委員会対象セミナーを新梅田研修センターで開催する。
今年度のセミナー日程は教育家庭新聞Web(www.kknews.co.jp)へ
郡山市教育委員会 渡辺哲雄指導主事 |
郡山市ではICT機器整備に早期から着手しており、27年度は市内全小中学校(小学校61校、中学校28校)に各校1学級分のタブレット端末、計2517台を整備。このほか各校に教員用タブレット、無線LANアクセスポイント、電子黒板機能付きプロジェクター、実物投影機、ホワイトボードも整備。今年度は、特別支援学級の児童生徒(511人)に1人1台のタブレット端末570台(予備含む)、大規模小学校3校に各35台ずつ計105台のタブレット端末を追加で整備。9月1日から運用開始予定だ。
小中6校で検証事業
端末整備に先立って平成26年度に、小学校3校、中学校3校でWindows、iOS、Androidと3種類のOSのタブレット端末計35台を3〜4週間ずつ活用する検証事業を実施した。その結果、児童生徒の関心意欲、理解度とも向上するという回答が85%を超えた。
持ち運びやすく起動も速いことから児童生徒が素早く活用できる、タブレット画面で思考を可視化して複数で情報を共有できる、音声や視覚的サポートなど特別な支援が必要な児童生徒への対応が一層充実するなどの成果もあった。
機器選定のポイント
課題も明らかになった。特に問題となったのは、無線LANアクセスポイントだ。APの性能により教材の配信スピードに大きな差が生じため、問題なく稼働した機種を採用した。
タブレット端末のOSは市で導入しているデジタル教科書が稼働するものを選択。算数はWindowsとAndroid対応、国語はWindowsとiOS対応であったことから双方を活用できるWindowsとした。
フリーを含めたアプリケーションの事前インストール、端末をプロジェクターと接続するためのアダプター、液晶保護フィルムを貼ってもスムーズに操作できるタッチペン、落下時などに破損を防ぐカバー、端末破損時の対応の仕様書への明記などの必要性も指摘。活用を推進するポイントとしては、カメラ機能やドリルなど先生方が「できるところからスタートする」ことを勧めている。
【講師】郡山市教育委員会教育研修センター・渡辺哲雄指導主事
【第32回教育委員会対象セミナー・京都:2016年7月28日】
【2016年9月5日】
1、京都教育大学・谷口和成准教授/2、郡山市教育委員会・渡辺哲雄指導主事
3、姫路市教育委員会・柳井克文係長/4、立命館守山中学・高等学校 犬飼龍馬教諭
5、京都市立梅小路小学校・吉井優太郎教諭/6、奈良女子大学附属中等教育学校・二田貴広教諭
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