画面転送の仕組みで論理的にネットワークを分離できる |
学校教職員の負担軽減が喫緊の課題となっている。その働き方改革の方策の1つとして統合型校務支援システムの導入と情報セキュリティを確保した運用が求められており、次年度の文部科学省予算にも盛り込まれている。アシスト(東京都・大塚辰男代表取締役社長)では、教員の働き方改革とセキュリティ確保を同時に実現する製品として、「Ericom Connect(以下、エリコム)」を提案している。
教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン案では、インターネットからの攻撃や内部の不正アクセスを防ぐため、インターネット接続が必要なWeb閲覧やメール等のシステムと機微情報を取り扱う校務系システムのネットワークを分離するよう求めている。
分離されたシステムを利用するには、それぞれ専用の端末を用意して使い分ける方法があるが、端末、周辺機器、ソフトウェアを新たに購入したり、それらを運用していくコストが発生する。
コストの課題が解決できたとしても、端末の使い分けにより、業務負担が増えることになり、これを教職員に強いるのは避けたいところだ。
エリコムは、ガイドラインで認める仮想化技術の画面転送を使って論理的にシステムを分離できる。インターネットのWeb閲覧やメールは今まで通りに行いながら、同じ端末で論理的に分離された校務システムを画面転送経由で利用可能にし、端末は今まで通り1人1台を継続できる。画面転送なので実際のデータが端末に落ちてくることはない。そのため、紛失や盗難による情報漏えいの防止にもつながる。
このエリコムの画面転送の仕組みはテレワークにも展開が可能だ。教職員は端末やUSBメモリを自宅に持ち帰ることなく、自分の端末のブラウザからインターネット経由でSSL-VPNにアクセスし、本人認証した上で、画面転送により校務システムを利用できる。介護や子育てなどにより自宅での作業を求められる教職員の働き方改革にも寄与できる仕組みだ。「セキュリティを求めると利便性を損なうことが多いが、セキュリティを高めつつ教職員の負担軽減をする方法もあることを知ってほしい」と担当者は語る。既に都道府県教育委員会でも導入・運用が始まっており、今後注目すべき仕組みと言える。▼詳細=www.ashisuto.co.jp/