10月17日に第43回教育委員会対象セミナーを大阪・CIVI研修センターで、11月2日に第44回教育委員会対象セミナーを札幌コンベンションセンターで開催した。大阪で開催された講演内容を紹介する。次回、第45回教育委員会対象セミナーは、12月6日に東京・KFCホールで開催する。
朝来市立竹田小学校・國眼厚志教諭 |
これまで、どう授業でICTを活用すれば、自分の思うような時間をとれるようになるかを実践してきた。さらにその成果を周りに伝え、広げてきた。國眼教諭が最近取り組んでいることが、タブレット端末と授業支援システムを活用した授業だ。
授業支援ソフトの「モニタリング」機能は、リアルタイムにタブレット端末に書き込んだ内容を提示画面に提示できる。複数人の提示も可能だ。授業者はその様子を見ながら「この子はこの部分を間違っている」「ここに気づいてほしい」などと考えて授業を進行できる。
テレビ番組で司会者が解答者のすべての答えを知ったうえで、流れを作ることを考えて順番に当てていくように、授業者は、児童たちがどんな考えをしていることがわかった上で、「この子から当ててみよう」「この子はこんなことに気づいている、ぜひここで言ってもらおう」ということをリアルタイムで、授業の流れを創ることができる。授業支援システムの強みだ。
児童は、机から自分の記入画面をスクリーンに提示できるので、すぐに発表ができ、時間を短縮できる。
保存、記録もでき、前時の授業の続きも円滑だ。写真を撮ってそこに書き込むこともでき、「子供の考えを表出しやすい授業が展開できるのではないか」は語る。
4年・国語では、教材文の要約を発表。要約をタブレット端末で撮影し、自分の一番言いたいことに線を引いて発表した。さらに、異なる意見を持つ児童が質問して話し合った。
説明文の授業では、説明文を各タブレット端末に送信。竹田城が「天空の城」と呼ばれている理由が分かる部分に線を引かせ、互いの考えを提示画面に投映して説明し合った。
算数では、3ケタ×3ケタまでの掛け算問題を作ることができる数字が空欄の枠を、タブレット端末に送信。どのように考えて答えを出したのかがすぐにわかる。こうしてリアルタイムのモニタリングで、各自がつまずいた箇所に気づくことができる。前に出て黒板で解かせると、数人で授業が終わってしまうが、モニタリングをすることで全員に気を配ることができる。
理科では「金属の板のあたたまり方を調べよう」というテーマで金属板と過熱する場所を描いたワークシートを用意してタブレット端末に送り、各自が考えた予想を書き込ませた。結果を示し、なぜ違ったのかを余白にさらに書き込ませた。
来年度から朝来市の小学校には1クラス分40台程度の情報端末と各教室に大型提示装置が配備され、さらにモニタリングの授業を行いやすくなる。こんな話し合いをしてみたい、こういう授業支援をしたい、授業をこうやって盛り上げたい、様々な教科で使っていけるのではと考えているところだ。
【講師】朝来市立竹田小学校・國眼厚志教諭
【第43回教育委員会対象セミナー・大阪:2017年10月17日】