1月25日に第37回教育委員会対象セミナーを福岡・天神クリスタルビルで、2月8日に第38回教育委員会対象セミナーを名古屋・名古屋国際センターで開催した。次回、第39回教育委員会対象セミナーは、3月29日に岡山・岡山コンベンションセンターで開催する。セミナー日程は教育家庭新聞Web(www.kknews.co.jp)へ
加賀市教育委員会 学校指導課 山田利明課長 |
加賀市では平成29年度から市内全小中学校(小学校19校・中学校6校。小学校は4年生以上を想定)でプログラミング教育を始める。
市では人口減少によるものづくり人材の不足などの課題もあり、宮元陸市長も「2020年からプログラミングを始めるのでは遅い」と全面的に支援する姿勢を打ち出している。
同市は平成28年度総務省「若年層に対するプログラミング教育の普及推進」事業に参画し、提案団体である(一社)みんなのコードと共にプログラミング授業の実施に向けてスタートを切った。各学校にプログラミング授業を行える教員を1名以上置く計画で、全小中学校で各1~2名、計38名が推進教員として研修を受けた。全7回の研修で、それぞれ、指導者研修1回、プログラミング講座2回を受講。
指導者研修ではプログラミング授業の方法を学び、プログラミング講座ではプログラミングのやり方を学んだ。講師は「みんなのコード」だ。
5時間扱いのモデルカリキュラムも作成。1時間目は、身の周りでプログラミングされているものをグループで話し合う。例えば、クーラーならば「スイッチを入れると冷たい風が出る」「温度が下がり過ぎると風が弱くなる」など、どのようにプログラムされているのかを考える。2時間目は自分の体を使ってプログラミングとはどのようなものかを理解。自分がPCになったつもりで様々な命令――「手を叩く」「足踏みする」「回転する」などを実行。さらに複雑な命令を実行して理解を深める。3・4時間目で実際にPCを使ってプログラミング。「みんなのコード」や「スクラッチ」などのオンライン型のソフトを活用。
5時間目は、身の周りでプログラミングされていないものが、もしプログラミングされたらどう便利になるかを考えるという内容だ。
中核教員がけん引役に
平成29年度以降も引き続き研修を実施して推進教員を増やすとともに、市のプログラミング教育の牽引役となる中核教員を10人程度募集する。中核教員は定例勉強会に参加し、専門家からプログラミング教育について学びながら、加賀市でどのような形でプログラミングの授業を進めるべきかを考える役割を担う。
ICT支援員による授業サポートも実施。全5時間の授業のうちPCを扱う3時間目と4時間目の授業を支援する。また、平成26年度から参加してきたロボレーブ国際大会にも引き続き参加。プログラミングの授業で学んだ内容を実践する場として活用する。
平成30年度以降の授業については中核教員の助言を受けながら内容を固める。具体的な内容は未定だが、現在の授業内容を段階的に高度なものへと移行する考えで「これまで整備が進まなかった学校のICT環境だが、総務省事業への採択を機会に一気に進め、新しい動きを積極的に取り入れていきたい」と語った。
【講師】加賀市教育委員会 学校指導課・山田利明課長
【第38回教育委員会対象セミナー・名古屋:2017年2月8日】